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「八重洲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

八重洲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
女類」より 著者:太宰治
、僕もてれずに言うんです。申しおくれましたが、当時の僕の住《すま》いは、東京駅、八重洲口《やえすぐち》附近の焼けビルを、アパート風に改造したその二階の一部屋で、....
足迹」より 著者:徳田秋声
蔭に眠ていた正雄も、やっと目を覚ましかけて来た。正雄はそのころ、叔父の知っている八重洲河岸の洋服屋へ行っていた。東京で一番古いその洋服屋は、外国へ行って来た最初....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
、私が埋まる程、私はえこじに傘をクルクルまわして歩いた。どの窓にも灯のついている八重洲《やえす》の大通りは、紫や、紅のコートを着た勤めがえりの女の人達が、雪にさ....
宝石の序曲」より 著者:松本泰
切って東京駅地下室の美容院の階段を下りていった。 二人は二時間ほどして東京駅の八重洲口《やえすぐち》の改札を出ると、とある横町の清涼飲料水の看板の出ている酒場....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
から出た火があって、雉子橋、一つ橋、神田橋に及び、また北風になった風に煽られて、八重洲河岸、大名小路を嘗め、西丸下桜田に至って二つに別れ、一方は通町に出で、一方....
淪落」より 著者:林芙美子
少しも踊らない。つれの人と来て、いつも呆んやりと人の踊りをみている、或日、偶然、八重洲口の駅の前で逢つて、しばらくお茶をよばれながら話した。ジャワへいつていて、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
二十三信 この手紙では林町の生活のことを主として書きましょう。 事務所は依然八重洲ビルにあり。名称も元のままですが、主体は曾禰氏が主です。ところがこの老博士....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
さん夫妻。私たち(というのは二人の名のお招待が来ましたから)、その他の友人三名。八重洲園。佐藤俊次というのが良人の名です。自然、鶴さん、繁治さん、私たちが喋り、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
してあなたのお体にもよくはないでしょう。つゆ時と同じですもの。 きのうは、夕方八重洲ビルへ行って、国男と寿江子と紀とで夕飯をたべました。国さんの誕生日でした。....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、いろいろ話し、十日に鷺の宮へ行きました。文報のことやその他あるので。十一日早朝八重洲口の列に立って急行券を買い、十二日朝五時に家を出六時半から立って、八時半の....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
埋まる程、私はえこじに、傘をクルクルまわして歩いた。 どの窓にも灯のついている八重洲の通りは、紫や、紅のコートを着た、務めする女の人達が、やっぱり雪にさからっ....
丸の内」より 著者:高浜虚子
私はこの『すいとん』に腹をこしらえたことも一、二度ならずあった。しかしこの時八重洲町を歩いているうちに、どこであったかを忘れたが、(否、どこということを十分....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
りだと言うのである。 安政《あんせい》二年卯の年、十月二日真夜中の大地震まで、八重洲河岸で武家を相手に手広く質屋を営んでいた叶屋《かのうや》は、最初の揺れと共....
甘話休題」より 著者:古川緑波
しで食っては半分の値打もない。 話をもう一度、ミートパイに戻す。ミートパイは、八重洲口の不二家でも売っているが、これはアメリカ式で、ゴツイもの。 ケテルさん....
日本橋附近」より 著者:田山花袋
りのさまが変って行った。あの通四丁目の北側に大きな時計台があって、その横町があの八重洲橋に向っていたなどとは、今日では誰も知っているものはあるまいと思う。ただそ....