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「八間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

八間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
したように、突然立ち止ってしまいました。 それも無理はありません。その横町の七八間先には印半纏《しるしばんてん》を着た犬殺しが一人、罠《わな》を後《うしろ》に....
卑怯者」より 著者:有島武郎
その物音には彼もさすがにぎょっとしたくらいだった。子供はと見ると、もう車から七、八間のところを無二無三に駈《か》けていた。他人の耳にはこの恐ろしい物音が届かない....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
いよ」 月あかりが斜にさしこんでいる道端の松の切株に二人は腰をかけた。目の先七八間の所は木の蔭で薄暗いがそれから向うは畑一ぱいに月がさして、蕎麦の花が際《きわ....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
頬冠りをした親父がその竈の下を焚いている。框がだだ広く、炉が大きく、煤けた天井に八間行燈の掛かったのは、山駕籠と対の註文通り。階子下の暗い帳場に、坊主頭の番頭は....
自叙伝」より 著者:大杉栄
で、二階一間下三間の、庭も何にもない小さな家にひっこんだのだ。片田町の家は七間か八間あった。そしてできるだけの倹約をして貯金を始めた。 母は仮名のほかは書けな....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
う湯宿が、皆この葉越に窺われる。どれも赤い柱、白い壁が、十五|間間口、十間間口、八間間口、大きな(舎)という字をさながらに、湯煙の薄い胡粉でぼかして、月影に浮い....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
なぞは世にあるものとは思えないような、気丈夫な考えのしたのは、自分が彳んでいた七八間さきの、切立てに二丈ばかり、沖から燃ゆるような紅の日影もさせば、一面には山の....
黒百合」より 著者:泉鏡花
うなは、市中の最高処にあって、ここにも見らるる城址の森である。名にし負う神通二百八間の橋を、真中頃から吹断って、隣国の方へ山道をかけて深々と包んだ朝靄は、高く揚....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
うに、とにかく江戸時代は暗かった。だが文明は光を伴うものである。我国には古くから八間という燈があった。これは寺院などに多くあるもので、実際は八間はなかったが、か....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
、矢張自分で手繰るので有った。それを小虎も手伝った。船は向河岸を離れて、空の儘七八間、藤蔓の輪を滑らせながら動き出した。 此時、突然、向河岸の蘆間に、大入道の....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
子を開けますと、百日紅が、ちらちらと咲いている。ここを右へ、折れ曲りになって、七八間、廂はあるが、囲のない、吹抜けの橋廊下が見えます。暗い奥に、庵が一つ。背後は....
式部小路」より 著者:泉鏡花
さえかけて下すったら、素通りにされても怨まない。実際そうでないと、わずか廊下を七八間離れたばかりで、一篇悲劇の女主人公、ことに光栄ある関係者の一|人で居ながら、....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
宮殿をバチカンという。古来、世界にある宮殿中最も大なるものなり。その長さ五百七十八間、その横三百八十五間、その殿内には大小室数を合わせて一万一千室ありという。当....
西航日録」より 著者:井上円了
汽船中の最大なるものにして、トン数二万一千トンと称し、その長さ百二十間、その幅十八間の大船なり。上等客室三百七十七ありて、総人員千五百四十六人の定員なれば、あた....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
ら僕等の乗ったのと余り変らない川蒸汽が一艘矢張り浪を蹴って近づき出した。が、七、八間隔ててすれ違ったのを見ると、この川蒸汽の後部には甲板の上に天幕を張り、ちゃん....