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公し
「公し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
公しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
するのだよ。さもないと仙人になれないばかりか、また向う二十年の間、御給金なしに奉
公しないと、すぐに罰《ばち》が当って死んでしまうからね。」
「はい。どんなむずか....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
敏が来た。そうして是非一度若旦那に御目にかかって、委細の話をしたいのだが、以前奉
公していた御店へ、電話もまさかかけられないから、あなたに言伝《ことづ》てを頼みた....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
子供に付添って笠井の娘が坐っていた。その娘は二、三年前から函館に出て松川の家に奉
公していたのだ。父に似て細面《ほそおもて》の彼女は函館の生活に磨きをかけられて、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
々玄関へ戻って、お嬢さんは、と取って置きの頼みの綱を引いて見ると、これは、以前奉
公していた女中で、四ッ谷の方へ縁附いたのが、一年ぶりで無沙汰見舞に来て、一晩御厄....
「親子」より 著者:有島武郎
うとしたが、彼に対してさえ不快を感じたらしく、監督の方に向いて、 「六年間|只奉
公してあげくの果てに痛くもない腹を探られたのは全くお初つだよ。私も今夜という今夜....
「一坪館」より 著者:海野十三
ンドンではないか」アメリカ人は、大きく目をひらいて、源一の顔をみつめた、源一は奉
公していたお店で「源どん」とよばれていた。「源どん」という名をしっているこのアメ....
「火薬船」より 著者:海野十三
をむかえて、ああ自分も志願して、天晴れ水兵さんになって、軍艦に乗組み、正規の御奉
公したいと、急にそういう気にかわったのである。すると、中国船平靖号の一員として、....
「母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
かり貧乏になり、たくさんなお金を払わねばならなかったので母は今一度お金持の家に奉
公してお金をもうけ一家が暮せるようにしたいがためでありました。 このあわれな母....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
また王立協会へ帰って来た。 ファラデーの真身の父は、ファラデーがリボーの所に奉
公している中に死んだが、母はファラデーと別居していて、息子の仕送りで暮し、時々協....
「あのころ」より 著者:上村松園
それを機会に葉茶屋をひらきました。養子の太兵衛という方はながらくお茶の商売屋に奉
公していたので、その経験を生かそうとしたわけであります。 葉茶屋の家号を「ちき....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
る生活をはじめてから、もう二十五年にはなろう。彼には一人の妹がある。東京で女中奉
公しながら、可哀そうな兄貴の世話をしてくれと言って、村の親戚へ、時々五円十円と送....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
きて、その一例を示さん。曰く、 巣鴨におる勇公というもの、このほど王子に茶屋奉
公して、於辰という女を女房にもらいしが、この節流行の狐狗狸を始め、勇公が、「もし....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
石川は伝通院前の伊勢長といえばその頃の山の手切っての名代の質商伊勢屋長兵衛方へ奉
公した。この兄が後に伊藤八兵衛となり、弟が椿岳となったので、川越の実家は二番目の....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
したのは――、たしかに私です」 「何故殺したんだ?」 「私は以前あのお屋敷に御奉
公していた者でございます。その時出来た子供があの若様と同年の九ツで、先頃亡くなり....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ょう油屋を、もう一人は米屋を営んでいずれも川西家に納めていた。二人とも二十年も奉
公した末がこんなふうなのだから、私には別家もたいしたことはないなと子供心にも思え....