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公判
「公判〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
公判の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
しく唾《つば》吐きぬ。 「実は明日《あす》か、明後日《あさって》あたり開くはずの
公判を聴《き》こうと思いましてね」 「へへえ、なるほど、へえ」 渠はその
公判の....
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
恐喝取財未遂の犯人に相違ありませんでした。 その少年が、轟々たる世評のうちに、
公判に付せられたのは申すまでもありません。全体、未成年者でもあるし、微罪不検挙に....
「世相」より 著者:織田作之助
ならまだしも……」と真面目に忠告してくれる友人もあった。 しかし、私は阿部定の
公判記録の写しをひそかに探していた。物好きな弁護士が写して相当流布していると聴い....
「振動魔」より 著者:海野十三
、痛快に僕の正体を発いてしまったのだった。 それから、満二ヶ年の歳月が流れて、
公判のあとに
公判が追いかけ、遂に先頃、大審院の判決もすんで、ここに一切の訟訴手続....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
でしたから、九月の彼岸前でしたかな……刑事部の二号法廷で、ちょっとした窃盗事件の
公判がはじまったんです。 ……被告人は、神田のある洗濯屋に使われている、若い配....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
う古い言葉にも、深い人間の世の摂理を知ったように思いました。 私達が坂下鶴吉の
公判の経過に至大の注意を払ったのは、勿論でありました。が、遉に恐ろしい悪党である....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
に対し、 「予審決定に付意見書」 と題し放火殺人以下八罪につき東京地方裁判所の
公判に附するの決定相成しものと思料する旨、理由書と共に提出した。 大正六年七月....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
士の話では、裁判所側はリヨンの方やその他いろんな方面を取調べなければならんので、
公判までにはまだ一、二カ月かかるだろうということだったが、予審の日に弁護士が保釈....
「獄中記」より 著者:大杉栄
川に宛てた手紙を出した。その中に法廷に出る云々というのは、あとの新聞紙条令違犯の
公判の時のことだ。 「きのう東京監獄から帰って来た。まず監房にはいって机の前に坐....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
か、とうとうそれを白状してしまった。係官はホッと息をついた。そしてやがて、半次を
公判に懸ける準備に急いだのだった。 杜はずっと早く釈放せられて、思い出のバラッ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
きがらのごとくなるを、ソト戸の透より見るを得べし。これ蓋し狂者の挙動なればとて、
公判廷より許されし、良人を殺せし貞婦にして、旅店の主翁はその伯父なり。 されど....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
でもないのである。 わたくしが、いかにしてかかる重罪をおかしたのであるか。その
公判すら傍聴を禁止された今日にあっては、もとより、十分にこれをいうの自由はもたぬ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
日付不明 先々月の二十二日にここに入れられたまま一昨日はじめて外へ出た。それは
公判の下調べと言うので遠く馬車を駆って裁判所まで行ったのだ。例の金網越しに路ゆく....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
らざるを得ない。何がそうでしょうなだ、何が吉屋信子だ。呆れていると、私に阿部定の
公判記録の写しを貸してくれというのである。「世相」という小説でその
公判記録のこと....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
妙に投げやりで、キメが荒かった。 「いいえ。いつもは細かいのよ。でも明日は先生の
公判の判決の言い渡しがあるらしいの。先生きっと苛々していらっしゃるんだと思うわ」....