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公娼
「公娼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
公娼の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ろ指を指されたり、権利を蹂躙されたりする。最近或る愚昧な一群の「名流婦人」達が、
公娼制度の擁護を叫んで起って云うに、良家の子女の貞操を保護するためには
公娼という....
「トカトントン」より 著者:太宰治
うそぶき、そうして一人のおいらんに、振られて振られて振られとおして、やけになって
公娼廃止を叫び、憤然として美男の同志を殴り、あばれて、うるさがられて、たまたま勲....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
便宜上、話を廃娼運動から初めよう。内務省は一九三五年の四月を期して全国的に
公娼廃止を断行することに決定したと伝えられる(実は四月には断行されなかったが)。....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
ことになった。之を喜ばない人間は本当は一人もいない筈である。今年の六月初めには、
公娼の自由外出が許可されたが、薄倖児の救済はそれにも増して吾々自身に希望を与える....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
も世間で漫然と考えている廃娼運動は、云わば全く法規上の形式的な面目論に立つので、
公娼制度を法律によって保護するなどは国辱だという見解を出ないようだが、併し私娼で....
「溺るるもの」より 著者:豊島与志雄
きとばし、それを時々どこかにのせて貰い、三十すぎた独身者で、始終市内をうろつき、
公娼でも私娼でも女給でも、相手は構わないが決して一人に馴染まない、凡ての点に於て....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
感ぜらるるものであって、思索家をして夢想に沈ませる。その中には政府がいる。公人と
公娼《こうしょう》との不思議な和合がそこにはっきりと感ぜらるる。
種々の醜悪が....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
糸川の女は、とりまえは四分六、女の方が四分だそうだ。しかし食費などは置屋が持つ。
公娼制度のころと変りは少いが、ただ自由に外出ができるし、お客を選ぶこともできる。....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
、若干怪しからぬ的々な鉱物植物が原子バクダンにやられもせずに厳としてありますな。
公娼というものは今はない筈のタテマエであるから、今の丸山のお蝶さん方は糸川がパン....
「都会の中の孤島」より 著者:坂口安吾
ある。しかし孤島の女王がこうハッキリ金銭で取引きすることを明示しておけば、それは
公娼の場合と同じようなもので、事実古顔同士の場合には、
公娼におけるマワシのような....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
。張店といへば、昨年一時そんな噂がひろがつて、政治問題とされたことがある。筆者は
公娼存置にも、張店にも賛成だけれど、遊郭そのものゝ改良は、早晩行ふべきだと思つて....
「地上」より 著者:島田清次郎
一室に――かもしれなかった。 空の床に離れて、襖をはずした敷居越しに、この家の
公娼が眠っていた。粗い黄色と黒と小豆色の縦縞の掛蒲団をまるめるようにして、ぶく/....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
かではない。しかし、百円から三百円ぐらいの金で、一人の娘が、或いは私娼に、或いは
公娼に売られて行く例はザラにあるのであった。私はその実例を、蟹田村の近くのある部....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
のや。さて、どの女がお気に召ますかと尋ねると、太閤さんの言われるのには、『わしは
公娼制度などというものは、天下の悪制度だと思うから、自由廃業には賛成するが、金で....