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公方
「公方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
公方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
苦笑をしたらしい気配がした。 「殿のお噂か! 聞えたら切腹物じゃのう」 「陰では
公方《くぼう》のお噂もする。どうじゃ、殿のお腕前は? 真実のお力量は?」と、左太....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
端整いましてござります」 やがてのことに、ご奏者番からご老中職へ、ご老中からご
公方《くぼう》さままで、道々のご警備その他ぬかりのない旨、ご言上が終わると、 「....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
一 ――その第三話です。 江戸年代記に依りますと、丁度この第三話が起きた月――即ち元禄七年の四月に至って、お犬
公方《いぬくぼう》と綽名《あだな》をつけられている時の将軍|綱吉《つなよし》の逆....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
せんぎ》に来たんだ。どういう了見から七ところも捨て駕籠をやって、お正月そうそうお
公方《くぼう》さまのお住まい近くを騒がせやがったか、その詮議に来たんだからね。こ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は違うので、そのいたずら者の詮議が厳重になった。 仔細もなしに半鐘をつき立てて
公方《くぼう》様の御膝元をさわがす――その罪の重いのは云うまでもない。第一に迷惑....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、将軍は四十二の厄年で参詣になったのだと云うことでした。それが世間に知れ渡ると、
公方様でさえも御参詣なさるのだからと云うので、また俄かに信心者が増して来て、わた....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
参を飲んで屹と癒るものならば、高貴のお方は百年も長命する筈だが、そうはならない。
公方様でもお大名でも、定命が尽きれば仕方がない。金の力でも買われないのが人の命だ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
たかな」 「………?」 「いや、お気にかけずに、お気にかけずに。身共笑うたのは尊
公方の落馬ぶりが見事でござったゆえではない。あれなる黒めが、人前も弁えず怪しから....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
い。帰る。宜かろう。何様じゃ。互に用は無い。勝手にしおれおのれ等。ハハハハハハ、
公方が河内正覚寺の御陣にあらせられた間、桂の遊女を御相手にしめされて御慰みあった....
「決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
ことがあるのだ。この日は特にそうだった。 余はこの年の三月小田原を攻め、古河に
公方を置きなどして、自らも病に倒れ、六月に至ってようよう帰国したばかりである。百....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
てはいた。主人に、主人の主人に叛かせ、その主人の子供を自分が殺して主家を乗とり、
公方を殺し、目の上のコブを一つずつ取って、とうとう天下の執政にとぐろをまいて納っ....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
紅い卍字鎌の紋になっているだろう。それが、朋輩だった小式部さんの定紋で、たしか、
公方様お変りの年の八朔の紋日だと思ったがね。三分以上の花魁八人が、それぞれに定紋....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
は組頭からも今日の骨折りを褒められたが、そのなかでも福井が最も面目をほどこした。
公方家から特別に御賞美のおことばを下されたのは徒士組の名誉であると、組頭も喜んだ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
いうところから、その金を利用したということじゃ。更に下って足利時代に入り、鎌倉の
公方足利成氏、管領上杉|憲忠を殺した。憲忠の家臣長尾|景晴、これを怒って手兵を率....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
「仔細もなしに喧嘩を売る。おのれ等のような無落戸漢が八百八町にはびこればこそ、
公方様お膝元が騒がしいのだ」と、彼は向き直って相手の顔を睨んだ。 唐犬びたいの....