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「公案〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

公案の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
磬《けい》を打って入室相見《にゅうしつしょうけん》の時、足音を聞いただけで、公案の工夫《くふう》が出来たか、出来ないか、手に取るようにわかるものじゃと云った....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
じゃ、実に怖いものじゃの、あゝ悪い夢を視ました、悪い夢を視ました」 と心の中に公案を二十ばかり重ねて云いながら、手拭を出して額と胸の辺の汗を拭いて、ホッと息を....
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
をわれとやいわん仏とやいわん です。念仏によるか、坐禅によるか、信心によるか、公案(坐禅)によるか、その行く道程は違っていても、到着すべきゴールは一つです。 ....
野狐」より 著者:田中英光
偶然、古本屋で買った、「無門関」を愛誦していた。その中でも、「百丈|野狐」という公案が好きだった。それには、あのボードレールの、(あきらめよ、わが心、けだもの、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
た。これはお師家《しけ》さんが何か深甚の意味を寓《ぐう》するために、手真似を以て公案を示しているのだと解する者もありました。 倶胝《ぐてい》和尚は指を竪《た》....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ものでなければなるまいに。 でこのように、吏道なるものを精神的に、子曰く式に、公案式に、説法する限り、吏道は遂に捕捉し得ない。内務官吏は所謂官吏の代表者である....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、一何れに帰す」ということを考えさせられました。これは兵馬にとっては、かなり重い公案のようなものですけれど、兵馬は往々、ふいにこんな公案にひっかかって、分相応の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
せるまい、降りかかって来たものを避けまい。 これが、このごろ出来た自分の一つの公案なのだ。降りかかって来たものを蹴飛ばすまい、落ちて来たものは最後まで受留めて....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
っ子的な上皮の強がりは大分ありますがなかなか憶病でも気弱でもあります。氏が坐禅の公案が通らなくて師に強く言われて家へ帰って来た時の顔など、いまにも泣き出し相な小....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
るように大きい。手の指が二本で輪をつくッているように見える。 無門関か碧巌録の公案からでも取材したのかナ。なんしろ「無」とあるから。凡骨はツマランことを考える....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
た経路のことを書きましたらそれをごらんになって、これは非常に禅宗的である。禅宗の公案の解決の仕方とじつにぴったりしたものである。これくらい禅宗的なものはないとい....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
それだけのものとして、そう深くは心を牽かされていない。「梅花の巻」に限らず、どの公案にも同様な解結の手段がめぐらされている。 鶴見は『正法眼蔵』全体を一つの譬....
役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
の際役人もまた人間の間に下りきたってみな人とともに「善」とはなんぞやという普遍の公案を考えねばならない。かくしてこそ、彼らもまた国民とともに悲しみうる真の人間ら....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
い木綿の座布団を内仏の前へ敷き、足を組んで坐禅|観法をいたし、無心になって頻りと公案をして居りまするが、雪は夜に入り深くなりますから一際しんと致しています。其の....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
」(禅の本で五燈会元というのに書いてある老婆が庵を焼く話)という題で、禅家の方の公案(禅宗の師匠が弟子に与えて修業させる試験の宿題)になっていまして、なかなか研....