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公用
「公用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
公用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
《いけだきんだゆう》という人を知っているだろう」 忠「河内守《かわちのかみ》の
公用人の」 蟠「そうよ、内証《ないしょう》で遊びに往っている金太夫に遇うまで貴....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
会する必要があって来たのだ、君たちには自分を通さない権利などはあり得ない。自分は
公用を帯びて役所から来たのだから、もし自分が君等を訴えたなら、その時こそ吠え面を....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ざりますが、いかがなものでござりましょうか」 「私用ではあるまいな」 「むろん、
公用にござります」 「
公用とあらば、お上の聞こえもさしつかえあるまい。自由にいた....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
かはなかった。トラックや自動車はあったけれど、これはすべて、ただちに徴発されて官
公用になってしまった。 放送局だけが活躍をして、さまざまのニュースを伝え、市民....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
を尽したが、その効なく、一生の不幸になりそうな。断念のために、折から夫理学士は、
公用で九州地方へ旅行中。あたかも母親は、兄の英吉の事に就いて、牛込に行っている、....
「乱世」より 著者:菊池寛
一藩は、愕然とした。愕然としながらも、みんな爪先立てて後の知らせを待っていた。
公用方の築麻市左衛門が帰って来たのは、十日の午前であった。彼は、本国への使者とし....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
は雷に撃たれたように驚かされました。小林区署長の奥さんの関井三津子さんは、主人が
公用で出京している留守中に、何物にか惨殺されたというのです。わたくしはその新聞を....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
嘗められて畳の上へ転び落ちた。 その時人の気勢がしたが、静かに襖が開けられて、
公用人の志摩の顔が開けられた隙から現われた。 「何じゃ?」と、伊豆守は物憂そうに....
「火の扉」より 著者:岸田国士
ルがそりかえり、チェーンがみごとにきれていた。 「おゝきいぞ、おゝきいぞ。なに、
公用中の事故ちゆうわけで、農業会へおんぶするだ。じや、すまんが、わしのへ乗つて帰....
「光は影を」より 著者:岸田国士
じめてから、ふとした機会に言葉が通じたのがもとで、やがて、ずるずると一年あまり、
公用にかこつけて、彼女のアパートへ週に一、二度|隙をぬすんで会いに行く間柄となつ....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
賛成したが、ひとりドノバンは不服をいいだした。 「それではこの遠征は、少年連盟の
公用のためでなく、富士男君の私用のためなのかね」 「そんな誤解をしちゃいかんよ、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
の方へかかるので、つまりは“御取らせ給い”という意味で、こういう文例は徳川時代の
公用文書にもしばしば見受けることである。まして音律の上からいっても、“やがて手を....
「城」より 著者:カフカフランツ
らも紳士荘でも我慢しなければならないだろう。というのは、城からくる人たちは、村で
公用のために紳士荘を離れることを拒んだのだった。役人たちはいつも急いでおり、ただ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
機械的に反射的に運ぶようになる。すべてが応用のきかぬように縛られ、かつ縛ることを
公用の本務と考えるようになる。 一本一銭五厘の鉛筆を貰いに行くのに願書を五枚書....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
落の名称となったものらしい。古代にあっては、後世の如く旅宿の設備が整っておらぬ。
公用を以て旅行するものは駅に宿し、身分のよい者ならば臨時に仮小屋を構えて宿泊する....