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公益
「公益〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
公益の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「近時政論考」より 著者:陸羯南
思想に反動して起こりたるもの多きに似たり、ゆえに公私の際を論ずれば私利はすなわち
公益の本なりと言い、もって利己主義を唱道す。上下官民の際については双方の約束に過....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
合せながら石子刑事が答えた。 「僕達は何も私利私慾の為にやっているのではないぜ。
公益の為にやっているのだ。僕達は社会の安寧を保つ為に貴い犠牲を払っているのだぜ」....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
、「真理は人類の公有物である。これを発見し、これを説明する者は、その人類に与うる
公益と、これに伴う名誉とをもって満足すべきである。何ぞ必ずしも利を貪《むさぼ》っ....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
たり、ギリシャ各地の滅びた都市を復旧再興させたり、実にさまざまの驚くべき大規模な
公益事業をしているが、もってその富のいかに巨大であったかが察せられる。 (10)....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
がなくなるでないかとの問いに対し、財物を獲《う》べき利慾はなくなるが知識を進めて
公益を謀る念はますます切になる故、一切平等で生活のため後顧せず、安心して発明発見....
「ジイドとそのソヴェト旅行記」より 著者:宮本百合子
ろうか。ジイドの考えによれば「人の最も個性的な状態にいることは、なによりも優れた
公益をはかっていることになるのだ」が、資本主義ヨーロッパの社会的現実は、果して、....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
仰せられたそうだが、之こそ自治主義の真髄であって、之に較べると、国家主義の如きは
公益と私益との衝突を免れぬものだという。現在の日本に於て最も普及している日本主義....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
から、これより先三井家は三千万円で財団法人「三井報恩会」を設立し「社会事業その他
公益的施設の経営又は助成、及び有益なる学術研究を工業農業其他の産業に応用する実験....
「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」より 著者:宮沢賢治
何の為《ため》に掃いたのだ。」 「風を入れる為です。」 「よろしい。その点は実に
公益である。本官に於《おい》て大いに同情を呈《てい》する。しかしながらすでに妄《....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
ば、相当の賃銭《ちんせん》を受ける一つの商売である。しかし壮丁として行くのは公利
公益のために力を尽すのである。職業として轎《かご》を担《にな》うのでなく、また賃....
「光は影を」より 著者:岸田国士
けである。条件としては、自分一人が食つていけること、営利本位の企業でなく、どこか
公益という目的に結びついていること、特殊技術としてそれ以外にもつていない外国語を....
「決闘」より 著者:神西清
は出してくれるさ。妻君の生活は僕らが保障しようじゃないか。君が妻君を説きつけて、
公益のため尼さんにならせることが出来たら一番いいな。そうなりゃ君も出家できるし、....
「学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
附するは中産者のために、自ら不朽の紀念碑を設くる所以となると同時に、少なからざる
公益をなすに好機会なりというべし。」 「この種の美挙は国内所々において、特にオハ....
「教育の目的」より 著者:新渡戸稲造
たならば、愛蘭《アイルランド》の百姓に及ばぬかも知れぬが、先ず国家の組織あるいは
公益ということを知り、大統領を選ぶときにも、村長を選ぶ時にも、必ず不正不潔な行為....
「友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
慎なささやきを止めない。勿論彼は、産めよ殖せよ、という人口国策の線などに沿って、
公益優先の見地から、独身者の優位な特権を犠牲にしたのではない。之は理性的に明らか....