公算[語句情報] » 公算

「公算〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

公算の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青木の出京」より 著者:菊池寛
数学の時であった。数学では学校中で、いちばん造詣が深いといわれている杉本教授が、公算論を講義した時であった。中学にいた頃には首席を占めたことのある雄吉にも、その....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
る十分な準備があったならば、第一次欧州大戦も決戦戦争となって、ドイツの勝利となる公算が、必ずしも絶無でなかったと思われます。 しかし私は、この計画変更にも持久....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
たれたという事がたしかに一つの必然な因縁でつながれているのである。すなわち一つの公算的な因果の現われだともいわれるであろう。(昭和十年十月十五日) ....
時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ」より 著者:寺田寅彦
る時に、始めてエントロピーが出て来る。ボルツマンがこのような混乱系の内部の排置の公算をエントロピーと結びつけたのは非常な卓見で物理学史上の大偉業であった。プラン....
怪星ガン」より 著者:海野十三
ば、あたらぜっこうのチャンスをとりにがしてしまうであろう。が、その夢が現実になる公算は、ほんとに万に一つの機会であった。いや、万に一つどころか、億に一つかも知れ....
地獄の使者」より 著者:海野十三
たというのかね」 「犯人――かどうか知らんが、引金を引いた主は、窓の外から撃った公算大なりと、僕は認めている。このことは尚明日、はっきりした証拠を現場でつかみた....
のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
ていきます。十発のうち、二発でも一発でも命中すれば、しめたものです」 「そういう公算的射撃作戦は、どうも感心できないねえ。なぜ、そんなに焦せるのであるか。もっと....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
ねば……」 というわけで、今や醤買石は、執念の火の玉と化し、喰うか喰われるかの公算五十パアセントの危険をおかしても一矢をむくわで置くべきかと、あわれいじらしき....
異質触媒作用」より 著者:寺田寅彦
具である。これの運動の解明は古典力学だけで間に合う。しかしコリントゲームの方には公算的統計的の要素が入り込む。前者では因果の連鎖が一筋の糸でつづいているが、後者....
自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
必ず単義的に起るとすれば、それは如何なる理由によるべきか。ここに「安定度」とか「公算」とかいう言葉が科学者の脳裡に浮ぶべし。ここに吾人は科学と形而上学との間の際....
言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
られる。これを haradati の子音と比べると同一である。偶然とするとかなり公算の少ない場合の一致である。ロシアの serditi もやはりいくらか似ている....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
で早朝から放二のアパートの陰に身を隠して待ちぶせた。出勤前に長平を訪ねて用をたす公算大なりと見たからである。 果して放二は新宿で記代子と待ち合して、社へは行か....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
れる役割でした。甚八の毒死によって、二十年前の津右衛門の死が毒死としてよみがえる公算もあります。それも千代には不利な事となったでしょう。偶然にも、甚八と千代は石....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
もともと、ナギナタと刀では、現在の剣士に立合わせても、女の子のナギナタの方が勝つ公算が大きいのである。しかしミコサマの手錬は話の外だ。 直ちに召抱えられてナギ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
性を欠くと判断し、英軍を撃破して英仏海峡沿岸を占領するのが敵の抵抗を断念せしむる公算が大きいから、フランデルン攻勢は戦略上有利と主張したのである。ルーデンドルフ....