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公約数
「公約数〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
公約数の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
言葉の真剣さに伸子はびっくりした。占いなんかをしてみる人の心もちにたいして、最大
公約数のような、こんな常識が何か真面目な作用もするというのだろうか。伸子は、思い....
「旅愁」より 著者:横光利一
のじゃないなら、僕らは知らぬ顔の半兵衛出来ますかね。出来なけれや。どっちもの最小
公約数というものは、大切にしなきゃならん。これを大切にせずに、僕ら近代人に何んの....
「俳句の型式とその進化」より 著者:寺田寅彦
それには、この詩形が国語を構成する要素としての語句の律動の、最小公倍数とか、最大
公約数とかいったようなものになるという、そういう本質的内在的な理由もあったであろ....
「「未亡人の手記」選後評」より 著者:宮本百合子
るべきだろう。わたしとしては、日本の三百余万人の苦しい婦人たちの生活と感情の最大
公約数を、めやすにするしかないと感じた。そして三篇をえらび出した。 どの文章も....
「技術的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
や技術史家の想定する常識となっている。 だから技術的精神をごく一般的に、又最大
公約数的に考えるなら、それは必ずしも近代精神だけを特色づけるものでもなければ、そ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
は、もっと安易である。そして、現実的である。彼らは、妄者の顔や人柄から判じ、最大
公約数的な質問や判断で狭めていって、一応の的中率を示す方法を心得ている。 私は....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
なことを言うね。それは易者が妄者の迷いを言い当てるのに良く似ているね。迷いの最大
公約数みたいなものを、言いきるわけさ。そして輪をちゞめていくんだ。もっとも、易者....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
カげた話で、現在の依頼者の職業身分に当りがつけば、あとは人相骨相等ににらみ合せて
公約数的に身の上、性格等の判断をわりだすのは不可能ではなく、
公約数の算定法は相当....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ンの説によると、あらゆる種類の犬をかけあわせて雑種をつくった場合、つまり犬の最大
公約数がどういう形をとるかというと、だいたい小型日本犬に似た形のものが生ずるよう....
「猫と杓子について」より 著者:織田作之助
いうものは猫でも杓子でもないのですから、世間の常識とか定説、オイソドックス、最大
公約数的な意見、公式、規格品、標準、権威――そういったものを、よしんばそれが世の....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
っともらしい言葉や議論というものを好む傾向がある。当り前のことが好きなのだ。最大
公約数的なものが好きなのだ。誰が考えても、誰が言っても、そうなるという標語的な結....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
な個所のズーッと手前のところで作品を生み出す以外になくなる。また、その二つの最大
公約数(その数値は非常に小さい)として生み出す以外になくなる。それが中野の作品で....
「社大党はファッショ化したか?」より 著者:戸坂潤
ぜ私が社大党支持に決心したかというと、要するに之が無産勤労大衆の政治的要求を最大
公約数的に代表し得る唯一の政党だと信じたからだ。日本の大衆が支配者の各種の政策に....
「日本の民衆と「日本的なるもの」」より 著者:戸坂潤
れの特色を云わば好みに従って取って来ることも出来ようし、またそのバラエティの最大
公約数のようなものでも好かろうし、乃至は思い切って内容は抜き去って日本民族の形式....