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公設市場
「公設市場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
公設市場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ある心の風景」より 著者:梶井基次郎
た 「街では自分は苦しい」と思った。 川向うの道を徒歩や車が通っていた。川添の
公設市場。タールの樽《たる》が積んである小屋。空地では家を建てるのか人びとが働い....
「のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
た。すると吉田の母親は、 「なんのおまえばっかりかいな」 と言って自分も市営の
公設市場へ行く道で何度もそんな目に会ったことを話したので、吉田はやっとそのわけが....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
た一文菓子を売る動作も名人芸のような落着きがあった。相場師も夜逃げをしなかった。
公設市場が出来ても、そんな町のありさまは変らなかった。普請の行われることがめった....
「わが町」より 著者:織田作之助
れるという。 八百屋の向いに八百屋があって、どちらも移転をしなかった。隣の町に
公設市場が出来ても、同じことであった。 一文菓子屋の息子はもう孫が出来て、店先....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
、南北に通っている町で、俗称であるが、それは、和泉町から本町へかけて、丁度、今の
公設市場のように、一切の食料品店が、その辺に集っていた。 これは、大阪が、一番....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
を叱られがちだった。 いつのことだったか、雨が降りそうな日に、私と私の細君とが
公設市場の近くまで来た時、理髪屋の前で細君が転んだ、高い歯の下駄を履いていたのだ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
知った宮川筋を上って行くと、そこに一つの大きな小屋が立っていて、その小屋が全部、
公設市場のようになっているのを見ました。 これは、火事あとへ直ぐに出来た「お救....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
《ひ》かせて、うどんに造ったり餅に焼いたりするが、色こそ黒いけれども、その持味は
公設市場で売るメリケン粉の類ではない、小麦本来の持味が充分で同時に営養価も高い事....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
れをして居ったのでは結局負けると思う。今日小さい商店が一番悩んでいるのは百貨店と
公設市場の問題である。
公設市場はものが安い。御用聞きに来る肴屋、八百屋などに較べ....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
りになる坂の見通し。右角に色彩を瓦屋根で蓋をしている果物屋があって左側には小さい
公設市場のあるのが芝居の書割のように見えて嘘のようだ。欧米の高いもの広いものを見....
「雪の夜」より 著者:織田作之助
なって、下味原の家まで歩いて帰った。二人の雇人は薄暗い電燈の下で、浮かぬ顔をして
公設市場の広告チラシの活字を拾っていた。赤玉から遠のこうと、なんとなく決心した。....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
座のあった処は、震災後道路が一変しているので、今は活動館のあるあたりか、あるいは
公設市場のあるあたりであるのか、たまたま散歩するわたくしには判然しない。 むか....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
来るから。」 「この近処か。」 「検査場《けんさば》のすぐ手前よ。」 「それじゃ
公設市場の方だろう。」 「あなた。方々歩くと見えて、よく知ってるんだねえ。浮気者....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
たころ、三度義枝に縁談があったことはあった。相手は呉服屋の番頭、瓦斯会社の勤人、
公設市場の書記と、だんだんに格が落ちた。父親はいつのときも賛成も反対もせず、つま....
「わが町」より 著者:織田作之助
く売れるという。八百屋の向いに八百屋があって、どちらも移転をしなかった。隣の町に
公設市場が出来ても、同じことであった。一文菓子屋の息子はもう孫が出来て、店にぺた....