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「六区〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

六区の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
然電燈をともしたと見え、横にこう云う字を浮かび上《あが》らせる。――上に「公園|六区《ろっく》」下に「夜警詰所《やけいつめしょ》」。上のは黒い中に白、下のは黒い....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
いが、親愛なる旧友のいう事だから、僕も素直に賛成してさ。真《ま》っ昼間《ぴるま》六区《ろっく》へ出かけたんだ。――」 「すると活動写真の中にでもい合せたのか?」....
旧主人」より 著者:島崎藤村
すから、ね、そうなさい」 「はい。はい。さあこれから行って復た芸者を揚げるんだ。六区へでも行かずか」 「さあ、そうだ、そうなさい」 「これは不調法を申しやした。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
見《とおみ》、よきところに銀杏の立木、すべて浅草公園仲見世の体《てい》よろしく、六区の観世物の鳴物にて幕あく。――と、上手《かみて》より一人の老人、惣菜《そうざ....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
暮らすのである。かれらの多くはこの安息日を或は芝居に、或は寄席に、そのほか浅草の六区奥山、上野にも行けば、芝浦にも赴き、どこということなしに遊びまわって、再び主....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
思われなかった。 半七はなにを考えたか、すぐに菊村の店を出て、現代の浅草公園第六区を更に不秩序に、更に幾倍も混雑させたような両国の広小路に向った。 もうかれ....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
くでしょう。あれは昔の名残で、明治の初年には、あの辺一帯茶畠で、今活動写真のある六区は田でした。これが種々の変遷を経て、今のようになったのですから、浅草寺寺内の....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
剣劇の小屋へ探偵にでむいた班からの報告である。 女剣劇のかかっていたのは、浅草六区の飛龍座というバラック造りの劇場の番附には入れてもらえぬ悲しい小屋だ。浅草奥....
貞操問答」より 著者:菊池寛
いや。あれを中途まで見ている内に、散歩のプランが浮んだから、出てしまったのよ。」六区の雑沓の中へ出ると、すぐ美和子がいった。 「まだ散歩するの。」 「だって、こ....
宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
るようです。それから日本の詞として歌わせるように注意しているようです。近頃浅草の六区などでオペラと称しているものを聞くと日本の詞が伊太利語として歌われたり、仏蘭....
死の接吻」より 著者:小酒井不木
を積んで来る船頭の女房が最初に罹るのであるのに、今度の流行の魁となったのは、浅草六区のK館に居るTという活動弁士であった。ハロルド・ロイドの「防疫官」と題する喜....
花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
合いがあるんですって」 「ほんとですか」 「ほんとよ! 今日の午後三時」 「あの六区の池はいま権利あらそいで問題となっている、それだなア」 「なんだか知らないけ....
女強盗」より 著者:菊池寛
日の夕暮、京の町を歩いていると、ある家の半じとみ(小窓)から鼠鳴きをして(浅草の六区や玉の井の女が鼠鳴きして客をよんだが、これは古代からのならわしである)手を指....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
花屋がある、植木屋がある。それから活動小舎がある。絵看板がある。幟が並ぶ。銀座と六区とを一つにしたように殷賑である。 「縁日だね。」 という間に何か公園の入口ら....
春泥」より 著者:久保田万太郎
る料簡のなかったことは早くから浅草という土地に目をつけ、そこがまだ「奥山」だの「六区」だのと安く扱われ、玉乗だの、娘手踊だの、改良剣舞だの、かっぽれだのゝ見世物....