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「六号活字〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

六号活字の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
禁酒の心」より 著者:太宰治
もある。 「ぼく、豚の煮込み、いらない。」と全く意気悄沈《いきしょうちん》して、六号活字ほどの小さい声で言って、立ち上り、「いくら?」という。 他のお客は、こ....
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
こうした真摯《しんし》な作家がいるのだ。恐らくこの男の名前は、文芸雑誌などには、六号活字ででも出たことはあるまい。が、この男は黙々として長篇の創作に従事している....
出世」より 著者:菊池寛
の唐草模様か何かの表紙の付いた六、七百ページの本であった。またその活字が、邦字の六号活字に匹敵するほどの小さいローマ字で、その上ベッタリと一面に組んであるのであ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
畳店と畳の字を入れなければならぬのだが、畳という字が画が多くてやり切れなかった。六号活字でぎっしりと詰めて印刷してある同業者名簿をながめて、しきりに溜息をつき、....
文芸委員は何をするか」より 著者:夏目漱石
的に同類全体の地位を高めようとは考えていない。互を軽蔑した文字を恬《てん》として六号活字に並べ立てたりなどして、故《こと》さらに自分らが社会から軽蔑されるような....
野分」より 著者:夏目漱石
折れていた。折れてはいるがまだ新らしい。四五日前に出たばかりのである。折れた所は六号活字で何だか色鉛筆の赤い圏点《けんてん》が一面についている。僕の恋愛観と云う....
三四郎」より 著者:夏目漱石
自分の取る新聞などは、死人何十人と題して、一日に変死した人間の年齢、戸籍、死因を六号活字で一行ずつに書くことがある。簡潔明瞭の極である。また泥棒早見《どろぼうは....
分配」より 著者:島崎藤村
るもので、その中には私の先輩の名も見え、私の友だちの名も見えるが、菊版三段組み、六号活字、総振り仮名付きで、一冊三四百ぺージもあるものを思い切った安い定価で予約....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
機の影が刷いてゆく。 川がある。橋がある。人が渡ってる。 川は白い絹糸、橋は六号活字の一、人はペンさきのダットだ。すぐうえに太陽があり、まわりにうすい雲が飛....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
私は字がみたかった。しかし机下にもって来てもらった新聞は、二重にも三重にもなって六号活字でさえ判読出来なかった。上体を起して窓の外をみた。風が、ぴりぴり窓ガラス....
舞台のイメージ」より 著者:豊島与志雄
んな風なものである。舞台面の説明をしたりト書を加えたりすることは、五号活字の間に六号活字を組み交えるようなことは、凡て不必要なのである。そんなことは、舞台の予想....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
花嫁花婿」という欄に、工学士|蘆鉦次郎の写真と、高谷千代子の写真とが掲載されて、六号活字の説明にこんなことが書いてあった。 工学士蘆鉦次郎氏(三十五)は望月貞子....
小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
ども、法は最後まで秘密でわれわれ人民にはみせてくれない。私などもようやく新聞紙の六号活字でわずかにこれを知りえたにすぎませんでした。それでいよいよ議会に出た法案....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
す。漱石をえらい作家と認めれば認めるほど世間は無暗にほめなくなる訳だと思います。六号活字などを以て漱石を非難攻撃などというのは頗る軽重の標準を失しているではあり....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
較や無関心になったが、『しがらみ草紙』や『めざまし草』で盛んに弁難論争した頃は、六号活字の一行二行の道聴塗説をさえも決して看過しないで堂々と論駁もするし弁明もし....