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「六尺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

六尺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
しはな、久しく褌《ふんどし》をしめたことがないから、晒《さら》し木綿《もめん》を六尺買わせて下さい。」 晒し木綿を手に入れることはわざわざ近所の呉服屋へお松を....
日光小品」より 著者:芥川竜之介
石の上に腰をおろして川を見る。川はずうっと下の谷底を流れているので幅がやっと五、六尺に見える。川をはさんだ山は紅葉と黄葉とにすきまなくおおわれて、その間をほとん....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
け聞けば、いかなる優男《やさおとこ》かと思うかも知れません。しかし身の丈《たけ》六尺五寸、体重三十七貫と言うのですから、太刀山《たちやま》にも負けない大男だった....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
らくひんのう》の檄《げき》を読んだ時には色を失うことを免れなかった。「一抔土未乾六尺孤安在」の双句は天成のデマゴオクを待たない限り、発し得ない名言だったからであ....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
は想像していた通り、天井も柱も煤の色をした、見すぼらしい八畳でしたが、正面に浅い六尺の床があって、婆娑羅大神《ばさらだいじん》と書いた軸の前へ、御鏡が一つ、御酒....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
の雑草の根に出来る薯《いも》を洗っていると、そこに一人の男がのそりとやって来た。六尺近い背丈《せい》を少し前こごみにして、営養の悪い土気色《つちけいろ》の顔が真....
高野聖」より 著者:泉鏡花
で、道も大きに捗取《はかど》って、まずこれで七分は森の中を越したろうと思う処で五六尺|天窓《あたま》の上らしかった樹の枝から、ぼたりと笠の上へ落ち留まったものが....
追憶」より 著者:芥川竜之介
た。活動写真は今のように大きい幕に映るのではない。少なくとも画面の大きさはやっと六尺に四尺くらいである。それから写真の話もまた今のように複雑ではない。僕はその晩....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
た。チャーン―― 「――迷児の、迷児の、お稲さんやあ……」 と一列び、筵の上を六尺ばかり、ぐるりと廻る。手足も小さく仇ない顔して、目立った仮髪の髷ばかり。麦藁....
黒百合」より 著者:泉鏡花
た。茶屋の際の葉柳の下枝を潜って、ぬっくりと黒く顕われたのは、鬣から尾に至るまで六尺、長の高きこと三尺、全身墨のごとくにして夜眼一点の白あり、名を夕立といって知....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
を直しつつ近着いた。 近づくと、 「あッ、」 思わず、忍音を立てた――見透す六尺ばかりの枝に、倒に裾を巻いて、毛を蓬に落ちかかったのは、虚空に消えた幽霊であ....
化鳥」より 著者:泉鏡花
真白に見えるのは鷺だった、二羽一ところに、ト三羽一ところに、ト居て、そして一羽が六尺ばかり空へ斜に足から糸のように水を引いて立ってあがったが音がなかった、それで....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、この時門口を見返ると、火の玉はまだ入らず、一件の繻子張を引提げながら、横町の土六尺、同一処をのそりのそり。 「お入りなね、何をしてるの、愛吉、お入ンな、さあ、....
活人形」より 著者:泉鏡花
入り行きぬ。こは六畳ばかりの座敷にて一方に日蔽の幕を垂れたり。三方に壁を塗りて、六尺の開戸あり。床の間は一間の板敷なるが懸軸も無く花瓶も無し。ただ床の中央に他に....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
は、成るべく、彼を愕かさじと、徐々と、一尺引き五寸引き、次第に引き寄せしが、船前六尺ばかりにて、がばと水を扇りて躍り、綸の張り卒然失せぬ。逸し去りしなり。 『ち....