六部[語句情報] » 六部

「六部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

六部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
》にでもありそうな事件であった。或冬の夕暮に、放浪《さすらい》の旅に疲れた一人の六部《ろくぶ》が、そこへ一夜の宿を乞求めた。夜があけてから、思いがけない或幸いが....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ませんけれども、お滝の話には何でも先月の初め頃に、もう日の暮れかかる時分に一人の六部が家の前に立って、なにか鐸を鳴らしていると、そこへ丁度お父っさんが外から帰っ....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
に育てられた身の上でございます…誰か合宿が有りやアしませんか」 山「あの怖い顔の六部が居ましたが、彼奴が立って行って誰も居ないよ」 繼「実は山之助さん、私は敵討....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
い道のところまで辿《たど》って来たのを、よく見ると、手には何やら杖をついて、面は六部《ろくぶ》のような深い笠でかくし、着物は修験者が着る白衣の、それもそんなに新....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
豪華な寝台の上に寝かされていた。 そこはリット少将の居室からへだたることわずか六部屋目の近さにあった。 彼はすっかり体を清められ、そしてスミス中尉のピストル....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
うな」 これも単なる問わず語りのように、こう呟いた人物があった。笈摺を背負った六部であった。と、その側に彳んでいた、博徒のような男が云った。「迫害されて成った....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
から声がした。 「かかる深夜に何人でござるな?」 「鼠小僧外伝だよ」 つづいて六部が忍ぶようにいった。 「俺は火柱夜叉丸だ」 例によって潜り戸が、ギ――と開....
次郎物語」より 著者:下村湖人
以上を費やしたわけである。 以上が、第五部出版|遅延の言訳である。 なお、第六部はどうするか、ときかれても、それは第五部の場合のこともあり、確約は差控えたい....
米国巡回文庫起源及び発達」より 著者:佐野友三郎
翌九十二年より着々これを実行し、今や同州大学、学校外教育部には(一)図書館学校の六部を置き、各種の学校と相並びて、頻に公立図書館を一般公衆に接近せしむるの方法を....
怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
机源八郎は、武州|橘樹郡小机村の郷士の子で、子供の時に眼を患ったのを、廻国の六十六部が祈祷して、薬師の水というのを付けてくれた。それで全治してから後は、不思議に....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
かり給えり。とにかく初号也。残りあらば何部にてもよこしたまえ。鳴雪翁は少くも五、六部はほしといわれたり。(これは久松家及び諸俳人に贈るため)とにかく『ほととぎす....
雪柳」より 著者:泉鏡花
の真似をして、旅宿の払にまごついたというのではない。後世こそ大事なれと、上総から六部に出たたる石径を舞上って、「あれあれ浅間山の煙の中へ火の尾を曳いて消えて候よ....
寺じまの記」より 著者:永井荷風
「同じさ。だけれどそういうのよ。改正道路の向へ行くと四部も五部もあるよ。」 「六部も七部もあるのか。」 「そんなにはない。」 「昼間は何をしている。」 「四時....
感覚の回生」より 著者:小川未明
た。東京に行った隣の友吉の姿も、寺の御堂にかゝっている蜂の巣も、或る夕暮方、見た六部の姿を考えるとなしに、じっと一点に集って葉の上に光っている太陽の焼点の中に映....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
ませんよ』 『ではお聞き下さい。何でもよほど山奥らしいのですが、疲れきった男女の六部が嶮しい崖縁で休息んでいる処から始まるんです。頭上には老樹が枝をかわしていて....