六郷[語句情報] » 六郷

「六郷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

六郷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ぎ去ったと思われるころ、突然頭の中を引っかきまわすような激しい音を立てて、汽車は六郷川《ろくごうがわ》の鉄橋を渡り始めた。葉子は思わずぎょっとして夢からさめたよ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことになった。秋といっても七月の日はまだ長い。途中で駕籠を雇って、暮れないうちに六郷の渡しを越えてしまえば、今夜は神奈川に泊まることが出来るというので、三人は急....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「まあ、仕方がねえ。江戸へ帰るまで我慢するのだ」 ここで草鞋を穿きかえて、六郷の川端まで来かかると、十人ほどが渡しを待っていた。いずれも旅の人か江戸へ帰る....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
竜之助が万年橋の詰《つめ》のところまで来かかると、ふと摺違《すれちが》ったのが六郷下《ろくごうくだ》りの筏師《いかだし》とも見える、旅の装《よそお》いをした男....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ぴかぴかきらきらで、廓の張店を硝子張の、竜宮づくりで輝かそうていったのが、むかし六郷様の裏門へぶつかったほど、一棟、真暗じゃありませんか。拍子抜とも、間抜けとも....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
、中へ入ってお休み遊ばせ」 武「姉さん此の降るのに何処へお出でだ」 娘「私はあの六郷の方まで参るので」 武「六郷の方へ行くのなら幸いだ、拙者もこれから参るのだか....
二等車に乗る男」より 著者:豊島与志雄
い先々月のことです。私は鎌倉から汽車で東京へ帰る途中、彼女の姿を見かけたのです。六郷川の鉄橋のところを、あなたは度々通られたことがありますか……。それなら御存じ....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
内匠、石田典膳、古市喜左衛門、山辺勇助、中川蔵人、大森弾正、齋藤一八、雨森静馬、六郷六太郎、榎本金八郎、大河原八左衛門、辻五郎、秋山七左衛門、警衛として付いて行....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
楊弓場が並んでいる。その後が田圃です。ちょうど観音堂の真後ろに向って田圃を距てて六郷という大名の邸宅があった。そのも一つ先になると、浅草|溜といって不浄の別荘地....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
宗匠は引受けて弁じ立てた。 そこへ早や一隻の荷足り船を漕いで、鰕取川の方から、六郷川尻の方へ廻って来るのが見えた。 「あれだな」と若殿が扇子で指した。 「左様....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
州館林在の茂林寺に、この分福茶釜が鎮座ましますのであるが、詳しくいうと上州邑楽郡六郷村字堀江青龍山茂林寺であって、開祖は正通和尚であるという。正通和尚の出身地は....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
の一部を写したことがあった。 翌年の三月某日、これも雨後の朝、鎌倉にゆく途中、六郷鉄橋の辺から、再び玲瓏たる姿に接した。描きたい、描きたいという念は、いっそう....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
らざる処かへつて国貞が晩年(三代豊国)の作に優《まさ》れり。美人風俗画においても六郷川渡船三枚続《ろくごうがわわたしぶねさんまいつづき》の如き聊《いささ》か寛政....
日和下駄」より 著者:永井荷風
当ってまずこれを区別して見るに、第一は品川の海湾、第二は隅田川|中川《なかがわ》六郷川《ろくごうがわ》の如き天然の河流、第三は小石川の江戸川、神田の神田川、王子....
鰻の話」より 著者:北大路魯山人
の餌がある間はそこに留まっているが、食べつくしてしまうと、ふたたび他へ移行する。六郷川がよいとか、横浜|本牧がよいとかいうのは、以上の理由によるもので、どこそこ....