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「共倒れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

共倒れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
かった。隅の卓子で、主人夫婦らしい二人が、マージャン屋もあっちこっち出来すぎて、共倒れになりはしないかという夜更けの顔を向け合って、新聞を読んでいるだけ、あとは....
一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
ぬとして、同じ円本出版に変じた書肆も多いが、此円本流行が永く継続すれば、出版界は共倒れの全滅になるかも知れない 盲目千人目明一人の世の中、カサ高いヤクザ本を見て....
新生」より 著者:島崎藤村
本はこの屋根の下に多少なりとも清新なものを注ぎ入れるようにと努めた。どうかすると共倒れにでも倒れそうな気のするほど澱《よど》んだ家の空気の中から、何かしら生れて....
婦系図」より 著者:泉鏡花
けばひょろつくような若い奴が、お前を内へ入れて、それで身を立って行かれるものか。共倒れが不便だから、剣突を喰わしたんだが、可哀相に、両方とも国を隔って煩らって、....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
本元であります。その本能が何と言っても承知しない、なぐり合いを始める。因業な話で共倒れになるのじゃないか。ヒットラー統率の下に有史以来未曽有の大活躍をしている友....
破片」より 著者:寺田寅彦
時々癌腫が発生する。ひどくなると国家を殺すが、多くの場合に、その癌細胞自身も結局共倒れになって死んでしまうようである。 癌のやっかいなことは外科手術で切り取っ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
合いをはじめて、どっちが勝ってみたところで、どっちが負けてみたところで、あるいは共倒れになってみたところで、無名の戦いは畢竟《ひっきょう》無名の戦いで、空《むな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うございます。それとも離れる時には、どれか一つ命が危ない時で、まかり間違えば三つ共倒れになるのが落ちでございますから、そーっと置くのがかえって面白いんでございま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
す、ごらんなさい、今に亡びますよ、今に欧羅巴人同士、血で血を洗う大戦争をはじめて共倒れになりますから、わたくしは、そういうところに住むのが嫌いですから、もっと広....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
情を反映するから、その微妙に変化しつつある現実を見ずにもたれかかっていればやはり共倒れですものね。しゃんとしたことを云う何のよりどころが貴様にある、そういう居直....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
とかく雷同性が多く、個性の認められる店はきわめて少ない。そしてこの雷同性がいつも共倒れの原因となっているのは、じつに悲しむべき現象である。かつて日露戦争直後、東....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
久に続くことは出来ぬ。喧嘩《けんか》して世を渡るものは喧嘩両|成敗《せいばい》で共倒れして後がつづかぬ。 武士《ものゝふ》のけんくゎに後家《ごけ》が二人《ふた....
文学のふるさと」より 著者:坂口安吾
。芥川が読んでみると、ある百姓が子供をもうけましたが、貧乏で、もし育てれば、親子共倒れの状態になるばかりなので、むしろ育たないことが皆のためにも自分のためにも幸....
炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
てあなた、目方が五キロから減りました。たまらないのです。このままで行けば兄も私も共倒れになります。 ゴー 追い出したらいいじゃないか。 テオ それが、そ、それが....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
、国と国とが争うこととなって、ついに今度のように大戦争を惹起して、そうして世界が共倒れになる、それが生存競争の結果である。それが文明といい得るか、ほんとうの文明....