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「共同墓地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

共同墓地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
が行き着いたのは国道を十町も倶知安《くっちゃん》の方に来た左手の岡の上にある村の共同墓地だった。そこの上からは松川農場を一面に見渡して、ルベシベ、ニセコアンの連....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
や火事の為其の細君の居る宿屋が焼け細君も娘も焼け死んで、他の焼死人の骨と共に早や共同墓地へ葬られた後で有った、是は有名な事件で新聞紙などは焼死人一同の供養の為に....
思い出の記」より 著者:小泉節子
しても墓地は直に移転になりますので、どうしても不安心でなりませんから割合に安心な共同墓地へ葬る事に致しました。青山の墓地は余りにぎやかなので、ヘルンは好みません....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
になったか、そして又何故毎年三月十八日、つまり十方舎の娘の命日に、こうしてH市の共同墓地へ墓参りに出掛けるか、お判りになった事と思います……え? ああそうそう…....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ね、三年前にね、大崎の池田ヶ原の古井戸から女の死体が出ましてね、身許不明で大崎の共同墓地へ埋葬したんですがね、今日或地方から照会がありましてね、親心と云うものは....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
、日が短いな。武はどうしつろ?」 白菊を手にさげし海軍士官、青山|南町の方より共同墓地に入り来たりぬ。 あたかも新嘗祭の空青々と晴れて、午後の日光は墓地に満....
縁結び」より 著者:泉鏡花
庚申堂とも呼ぶが、別に庚申を祭ったのではない。さんぬる天保庚申年に、山を開いて、共同墓地にした時に、居まわりに寺がないから、この御堂を建立して、家々の位牌を預け....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
一寺だけの墓地ではないらしい。こちらにも相当な寺の棟らしいのが見える。してみると共同墓地かな。両国の回向院《えこういん》ででもあるのかな。回向院ならば自分もよく....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ですから、いつまでもうっちゃって置くわけにはいかないので、その翌日の夕方に郊外の共同墓地へ葬ることになりました。流行妓でもあり、そういう悲惨の死に方をしたという....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
婦とに関することではなかったか。それゆえに彼は、ファンティーヌの埋葬を簡単にし、共同墓地と言われるただ形《かた》だけの所に彼女を葬った。 ファンティーヌはかく....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
てか、アングーレーム公の像によってわずかに難局をきりぬけた。一七九三年の恐るべき共同墓地となったマドレーヌの墓場は、ルイ十六世およびマリー・アントアネットの遺骨....
明日」より 著者:井上紅梅
んは單四嫂子のために二人の人夫を雇ってやると、一人が二百と十文大銭で棺桶を舁いで共同墓地へ行って地上に置いた。王九媽はまた煮焚きの手伝いをした。おおよそ手を動か....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
れるであろう、死者のことを思いやっていた。それは、村々の外れに淋しく固まっている共同墓地の風景であった。 しかも、その時ほど、自分の宿命と、罪業の恐ろしさを、....
父の墓」より 著者:岡本綺堂
都は花落ちて、春漸く暮れなんとする四月二十日、森青く雲青く草青く、見渡すかぎり蒼茫たる青山の共同墓地に入りて、わか葉の扇骨木籬まだ新らしく、墓標の墨の痕乾きもあえぬ父の墓前....
水郷異聞」より 著者:田中貢太郎
海岸にあがって細君の手に引きとられたが、女は身元は判らないので、それはその土地の共同墓地に埋められたと云うことが二三の新聞に現れた。....