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「共稼ぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

共稼ぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪」より 著者:織田作之助
聴けば、北田は今は温泉旅館の客引きをしており、小鈴も同じ旅館の女中、いわば二人は共稼ぎの本当の夫婦になっているのだという。だんだん聴くと、北田はかねてから小鈴と....
富士」より 著者:岡本かの子
しかも根がしっかり者の良人の岳神が少しにやにやしながら、 「働けそうな女なので、共稼ぎにはいいと思いましてね、この奥地の八溝《やみぞ》山の岳神の妹だったのを貰《....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ヤトナ周旋屋、亭主は恥《はじ》をしのんで北浜の取引所へ書記に雇われて、いわば夫婦共稼ぎで、亭主の没落はおきんのせいだなどと人に後指ささせぬ今の暮しだと、引合いに....
河明り」より 著者:岡本かの子
共に引き取った。 母は夫と共に日露戦役後の世間の好景気につれ、東京の下町で夫婦共稼ぎの一旗上げるつもりで上京して来た。そういう夫婦の例にままあるとおり無理算段....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
むら湧いて来る、丹念に桑の葉に、杞杓の水をかけては、一杯一杯泥を洗い落している、共稼ぎらしい男女もある、穂高山と乗鞍岳は、窓から始終仰がれていたが、灰の主(焼岳....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
らネ。しかしお前さん方もまだまだ若いんだ。もっと気を大きく持ち、これから夫婦して共稼ぎをするなりしてもう一度花を咲かす気持でなくちゃあ――」 「そうだそうだ」と....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
る処を御覧じゃりましたという、吉さんという植木屋の女房でございます。小体な暮しで共稼ぎ、使歩行やら草取やらに雇われて参るのが、稼の帰と見えまして、手甲脚絆で、貴....
置土産」より 著者:国木田独歩
でよそを向き 『どうして養いましょう今もらって。』 『アハハハハハ麦飯を食わして共稼ぎをすればよかろう、何もごちそうをして天神様のお馬じゃアあるまいし大事に飼っ....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
から、コックにバーテンに接客サービス、天来の敏腕家も手が廻りかねる。けれども夫婦共稼ぎとか、愛人をサービスにだすとか、お客は酔へば見境ひなく女を口説く性質のもの....
愛の問題(夫婦愛)」より 著者:倉田百三
ことではなくて、職業戦線から解放して家庭へ帰らせることだ。 しかし現状では夫婦共稼ぎもやむを得ない。が、この際夫としてはなるべく妻を共稼ぎさせないようにするの....
学生と生活」より 著者:倉田百三
はレディの延長と見なければならぬ。卒業後の結婚の物質的基礎を考えるとき、夫婦の「共稼ぎ」はますます普通のこととなり行く形勢にある。のみならず職業婦人には溌剌とし....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
どの財産でない限り、やがてじきになくなるからだ。相手の人格と才能とをたのみ自分も共稼ぎする覚悟でなくては選択の範囲がせまくなってしまう。恋人には金がないのが普通....
婦人と職業」より 著者:倉田百三
のための余儀なき催促によるものである。男子が独力で妻子を養うことができないための共稼ぎの必要によるものである。適当の収入さえあれば、夫への心をこめた奉仕と、子ど....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
にある」 と云って大きに喜んで、実に玉椿の八千代までと新枕を交せ、それから夫婦共稼ぎを致しまして、少しも油断をしませんから、忽ち身代を仕出しましたに付、多助は....
放浪」より 著者:織田作之助
聞けば、北田は今は温泉旅館の客引きをしており、小鈴も同じ旅館の女中、いわば二人は共稼ぎの本当の夫婦になっているのだという。だん/\聞くと、北田はかねてから小鈴と....