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「兵営〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兵営の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
かに僕を失望から救うために古藤君と岡君との手紙が見いだされました。古藤君の手紙は兵営に行く五日前に書かれたものでした。いまだにあなたの居所を知る事ができないので....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ばかりでは運搬しきれないものと見え、真昼間にも陸続として下って行った。東北地方の兵営が、空になるのではないかと、心配になるほどあとからあとへと、出征列車が繰りこ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
の家だ。これも焼けて無かった。 その頃の僕の遊び場は練兵場だった。 射的場と兵営のお濠との間には障害物があった。これは、二、三百メートルばかりの間に、灌木の....
わが町」より 著者:織田作之助
てしまった。 そうしたものの、しかし雇われるところといってはマラバト・ナバトの兵営建築工事か、キャビテ軍港の石炭揚げよりほかになく、日給はわずかに八十セントで....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
にいつどこへどう送られるようになるかも知れないのに、これという反対運動一つどこの兵営にも起らない。共産党の『ユマニテ』なぞは、毎日それについて何か書きたてている....
火星兵団」より 著者:海野十三
ある旗? はてな、どこかで、見たような旗だが……」 「なにしろ、クイクイ岬のわが兵営が、いきなり、焼きうちにあったのです。兵営は全滅です。そこへ、いまの旗を立て....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
こうという気もありませんでした。今ッからじゃ、もう時間がございません。三十分間、兵営までさえ大急でございます。飛んだ長座をいたしました。」 謂うことを聞きも果....
黒百合」より 著者:泉鏡花
、すなわちお雪の兄で、傍ら家計を支えながら学問をしていたが、適齢に合格して金沢の兵営に入ったのは去年の十月。 後はこの侘住居に、拓と阿雪との二人のみ。拓は見る....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
まにすると色とりどりのポジがヒラヒラと寝台の毛布の上に舞い落ちるのは私の殺風景な兵営生活にただ一つの色彩であつた。 その翌年にも演習召集で三週間服役したが、そ....
人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
つたので、長くはいずに帰つたが、この日の山中は元気がよかつた。 しばらくの間に兵営生活が身につき、彼自身も本当の一兵士に還元した安心と落ち着きとがあり、したが....
父の墓」より 著者:岡本綺堂
花筒に挿みたる黄と紫の花相乱れて落ちぬ。鴉一羽、悲しげに唖々と啼過れば、あなたの兵営に喇叭の声遠く聞ゆ。 おぼつかなくも籬に沿い、樹間をくぐりて辿りゆけばここ....
西航日録」より 著者:井上円了
カッタ府に通ず。この運河の間は、船行はなはだ困難にして、夜間はみな停船す。岸上に兵営あり、砲門ありて、河上を警戒するもののごとし。 十四日午後、はじめてカルカ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
に、数十間にわたる長屋数棟連立し、その棟下に墳墓を設くるはまた奇観なり。あたかも兵営もしくは学校の寄宿舎を見るがごとし。しかして屋外は百卉千花を栽培し、宛然小植....
わが町」より 著者:織田作之助
は到頭人夫頭といっしょに山を下ったが、雇われるところといってはマラバト・ナバトの兵営建築工事か、キャビテ軍港の石炭揚げよりほかになく、日給はわずかに八十セントで....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
として仰がれるに至った。日本陸軍は未だにドイツ流の直訳を脱し切っていない。例えば兵営生活の一面に於ても、それが顕著に現われている。服装が洋式になったのは、よいと....