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兵舎
「兵舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兵舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずく通信」より 著者:太宰治
で自動車から降りて、見ると、学校は渋柿色の木造建築で、低く、砂丘の陰に潜んでいる
兵舎のようでありました。玄関傍の窓から、女の人の笑顔が三つ四つ、こちらを覗《のぞ....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
苦笑した。 後側《うしろがわ》へ回ると広い空堀《からぼり》の中に立派な二階建の
兵舎がある。もとは橋をかけて渡ったものと思われるが、今では下りる事もできない。兵....
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
吉永の中隊は、イイシに分遣されていた。丘の上の木造の建物を占領して、そこにいる。
兵舎の樋から落ちた水は、枯れた芝生の間をくぐって、谷間へ小さな急流をなして流れて....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
坂の途中に、電灯を煌々とつけて土木工事をやっている。近づくと兵隊さんの姿もあり、
兵舎のようなものもある。土木工事の小屋にしては今どきたいしたぜいたくなもの、とい....
「わが町」より 著者:織田作之助
った。熱帯地にめずらしく冬は霜を見るというくらい涼しいバギオに避暑都市を開いて、
兵舎を建築する計画の附帯事業として、ベンゲット道路の開鑿は、比島領有後の合衆国の....
「橇」より 著者:黒島伝治
ないというような顔をした。 「おい、もう帰ろうぜ。」 安部が云った。 中隊の
兵舎から、準備に緊張したあわただしい叫びや、叱咤する声がひびいて来た。 「おい、....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
札して、おおかたの家には士官下士の姓名兵の隊号|人数を記せし紙札を張りたるは、仮
兵舎にも置きあまりたる兵士の流れ込みたるなり。その間には「○○酒保事務所」「○○....
「トカトントン」より 著者:太宰治
まったく、思いも寄らない事でありました。 昭和二十年八月十五日正午に、私たちは
兵舎の前の広場に整列させられて、そうして陛下みずからの御放送だという、ほとんど雑....
「雪のシベリア」より 著者:黒島伝治
一 内地へ帰還する同年兵達を見送って、停車場から帰って来ると、二人は
兵舎の寝台に横たわって、久しくものを言わずに溜息をついていた。これからなお一年間....
「穴」より 著者:黒島伝治
いた。 一時間ばかり椅子でボンヤリしているうちに、伍長と、も一人の上等兵とは、
兵舎で私の私物箱から背嚢、寝台、藁布団などを悉く引っくりかえして、くまなく調べて....
「氷河」より 著者:黒島伝治
と、不自然な笑い方をして、帯皮を輪にしてさげた一人は急いで編上靴を漆喰に鳴らして
兵舎の方へ走せて行った。 患者がいなくなるので朝から焚かなかった暖炉は、冷え切....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
これは兵営のあとだな」 と、ひとり合点をした。ひろびろと暮れゆく田ンボ。これぞ
兵舎をかこむ練兵場、飛行場のあとである。私がそう思うのもムリがない。この建物は一....
「空中に消えた兵曹」より 著者:田中貢太郎
ろこんで、それから毎日のように二人で練習飛行を行ったが、某日N大尉が練習を終って
兵舎へ帰って汗を拭いていると、練習生の一人が飛びこんできた。 「○○機が墜落しま....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
というように長を設けて統轄して居ります。
チベットの雇兵の月俸は麦二斗余りで、
兵舎は別に建てられてなく市中に散在して居るのです。いずれも商家でその家で商いをし....
「望郷」より 著者:服部之総
はあまりに多く昔を語りすぎたというのであろうか? 旭川の大練兵場に夏草生い茂り、
兵舎は学芸大学の校舎そのたに割当てられ、この土地でふるくから信頼されてきた医師藤....