兵船[語句情報] » 兵船

「兵船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兵船の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:菊池寛
ってくるのを感じた。見ると、船の舳には、一流の赤旗がへんぽんと翻っている。平家の兵船だと思うと、その船に赦免の使者が乗っていることが三人にすぐ感ぜられた。 船....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
は目と鼻の地で、海をへだててはいるが、呼ばば答えん程に近い。だが敵は二万数千余、兵船は海岸一帯を警備して、容易に毛利軍の渡海を許さない。而も毛利の兵船は僅か数十....
空襲警報」より 著者:海野十三
始まっているようなものだ。お天気が定まってくると油断がならない。昔、蒙古の大軍が兵船を連ねて日本に攻めてきたときには、はからずも暴風雨に遭って、海底の藻屑になっ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
東は伊賀越えカラサキ口 和田の岬の左手《ゆんで》より 追々つづく数多《あまた》の兵船《ひょうせん》 眼鏡に吸いつけられていた駒井甚三郎が、この声で、驚かされ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
るから、船でなければならない。もうこの頃は大砲の術も漸々発達しているので今までの兵船たる関船では間に合わない。そこで兼て藩から幕府に願って、軍艦を借用したいとい....
南国太平記」より 著者:直木三十五
結、左巴《ひだりともえ》に、筋違い、打身に、切疵、肩の凝り、これなん、逆賊尊氏の兵船。えんや、やっこらさっと、漕いできたあ。義貞朝臣、これを見そなわせ給い、いか....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
ろの意味で評判が高かったのだ。 源平屋島の戦いに、御座船《ござぶね》をはじめ、兵船もその他も海に沈みはてたとき、やんごとなき御女性に仕えていた蝴蝶という若い女....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
らえは大掛りだが、肝腎の合戦は音音が仁田山晋六の船を燔いたのが一番壮烈で、数千の兵船を焼いたというが児供の水鉄砲くらいの感じしか与えない。扇谷家第一の猛者|小幡....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
向うに……松林の薄黒う見ゆるは……文字ヶ関から大里の浜、あれをうしろにして味方の兵船はおよそ五百艘、さながら大鳥がつばさをひろげたように、左右に開いて陣取ってい....
三国志」より 著者:吉川英治
言のことばもなく、自らまたすすんで軍備を督励した。 吉日をえらんで、五百余艘の兵船は、大江を発するばかりとなった。――早くもこの沙汰が、荊州の劉表へ聞えたので....
三国志」より 著者:吉川英治
に兵糧を蓄えて、悠々と、孫策の軍勢を待ちかまえていた。 それより前に、孫策は、兵船数十艘をととのえて、長江に泛かみ出て、舳艫をつらねて溯江して来た。 「オオ、....
三国志」より 著者:吉川英治
わし奉り、大司馬の官位をのぞむといえども、ご許容なきをうらみ、ついに大逆を兆し、兵船強馬をしきりに準備し、不日都へ攻めのぼらんの意あり、疾くよろしくそれに備え給....
三国志」より 著者:吉川英治
要に迫られた。荊州の配下、江夏(湖北省・武昌)の城にある黄祖を攻めるためだった。兵船をそろえ、兵を満載して、呉軍は長江をさかのぼってゆく。 その軍容はまさに、....
三国志」より 著者:吉川英治
して、 「いよいよ時節到来。今夜の二更に、呉の兵糧軍需品を能うかぎり奪り出して、兵船に満載し、いつぞやお約束のごとく、貴軍へ降参に参ります。依って、船檣に青龍の....
黒田如水」より 著者:吉川英治
、海上を支配しているのは、どこの国ですか。一毛利家ではありませんか。彼には常備の兵船数百と千余の輸送船があって、絶えず浪華や泉州と交通し、また石山本願寺とも連絡....