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其の上
「其の上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
其の上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
行くと、茲が即ち老女輪田お紺の殺された室だ。伝説に由ると室の一方に寝台が有って、
其の上からお紺が口に人の肉を咬え顋《あご》へ血を垂らしてソロソロ降りて来ると云う....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ばまあ無事なんですが、重兵衛はその骨折り賃に三十両という金を取っていながら、まだ
其の上に大きい慾をかいて、謀叛人の絵馬をぬすみ出したとか、謀叛人の絵馬を大事にし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れた。自分の顔を見られぬ用心であろう。その曲者は奉納の鬼の面をかぶっていた。まだ
其の上にも用心して、彼は手拭を頬かむりにして其の頭を包んでいたが、それが坊主頭で....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
。この為めに私は真黒な羅紗紙を小さい乍らも鋭い角を持たせるように切りぬきまして、
其の上に新聞紙から「呪」という字を苦心の末、やっと三つ見付けて来て、これをその三....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
小谷に留守している士が三千余人は居る。長政と共に退却した者も三千余人は候うべし。
其の上兵糧、玉薬は、年来貯えて乏しからず、半年や一年は持ちこらえ申すべし」と答え....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
頭御家人は皆奴婢|雑人の如くにてあるべし」 と、その当時武士の実状を述べて居る。
其の上、多くの武士には恩賞上の不満があった。彼等の忠勤は元来、恩賞目当てである。....
「夜の隅田川」より 著者:幸田露伴
の季節であるから、猶更左様いう東京からは東北の地方のものが来て働いて居る。 又
其の上に海の方――羽田あたりからも隅田川へ入り込んで来て、鰻を捕って居るやつもあ....
「運命」より 著者:幸田露伴
で、而も浄行者の如し。嗚呼、何ぞ其の奇なるや。然も遜志斎も飲を解せざるにあらず。
其の上巳南楼に登るの詩に曰く、 昔時 喜んで酒を飲み、 白を挙げて 深きを辞せざ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
生をなすって、貴方は外へ御養子にでも入らっしゃれば、お目にかゝる事は出来ません、
其の上綺麗な奥様でもお持ちなさろうものなら、國のくの字も仰しゃる気遣いはありませ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
自分等の足許に来たのをヤコフ・イリイッチは話しながら、私は聞きながら共に眺めて、
其の上に居る一匹の甲虫に眼をつけて居たのであったが、舷に当る波が折れ返る調子に、....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
つるが、今年(弘安四年)は正月より其の気分出来して、既に一期をはりになりぬべし。
其の上齢すでに六十にみちぬ。たとひ十に一、今年は過ぎ候とも、一、二をばいかでかす....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
えて、かれは兼好にその艶書の起稿をひそかに頼みに来たのであるが、相手の法師は更に
其の上手を越して、それがために身をそこない、家をほろぼし、未来は地獄に堕ちても是....
「渋温泉の秋」より 著者:小川未明
た。其のうちに三十四五の病身らしい女がはんてんを着て敷蒲団を二枚馬の脊に重ねて、
其の上に座った。頭には、菅笠を被って前に風呂敷包を乗せている。草津行の女であると....
「絶望より生ずる文芸」より 著者:小川未明
人間的な生活――此の煩わしい現実の生活から離れて、特殊な欲望を禁じて強いて自らを
其の上に置くという事は苦しい生活に外ならないではないか。真の宗教家には或はそれが....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
」 政「へえ、成程|先達て集古十種と申す書物で見ましたが、一|端かき入れを致して
其の上を栗色の革にて包みまして、柄はかば糸にて巻き、目貫は金壺笠に五三の桐でござ....