其の人[語句情報] » 其の人

「其の人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

其の人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
たのです。私の考えでは人間が脅迫の観念に襲われる場合に其の対象となるものは、平常其の人間がついうっかり忘れていたとか、気をつけていなかったものに偶然注意が向けら....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
丸本少佐の外に士官が二人、兵士が二人うち連れだって室内に姿を現わしました。少佐は其の人達を僕に紹介して呉れましたが、一人は参謀の川沼大尉、他の一人の阿佐谷中尉と....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
れはきっと勉強がすぎたんだろう、ずいぶん夜も遅くまで御勉強のようでしたからな、と其の人達は言ってましたよ、へえ。 今夜は是非、お通夜をしましょう、という話でし....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
よいよ、永年憧れていた恋人が、やって来たぞ」そういったのは、旗艦陸奥の士官室に、其の人ありと聞えた剽軽な千手大尉であった。 「ほほう、どの位、近づいたのか」バッ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
をさきに王福の兄弟に教えられ、今はまた、高秀庭に教えられた。いたずらに皮相を観て其の人を侮蔑する――自分はそんな卑しい、浅はかな心の所有者であるかと思うと、私は....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
持ち主が返してくれと催促すると、彼は答えた。 「すぐにお返し申します」 やがて其の人が嘉興まで行くと、一尾の魚が船中に飛び込んだ。その腹を割くと、かの刀があら....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
る『報寃蛇』です。人がそれに手出しをすれば、百里の遠くまでも追って来て、かならず其の人の心を噬みます。その蛇は今夜きっと来るでしょう」 旅人は懼れて救いを求め....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
見廻わして、 気の早い野郎だ……宜いか、是れからが話だよ、……イフヒムの云うにゃ其の人間って獣にしみじみ愛想が尽きたと云うんだ。人間って奴は何んの事は無え、贅沢....
白い下地」より 著者:泉鏡花
りとして、其の本来の色を何処かに消して了う。 要するに、其の色を見せることは、其の人の腕によることで、恰も画家が色を出すのに、大なる手腕を要するが如しだ。 ....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
と云う言葉は、最初本間久雄君によって、平民労働者と解釈された。本間君が主として其の人の説に拠ったエレン・ケイは、「休養的教養論」の最初に「八時間の労働と八時間....
キド効果」より 著者:海野十三
で線を横に繋ぐとこの Fig. 1 のような曲線になる。この曲線を一と目見れば、其の人間に宿っている興奮が手にとるようにアリアリと判る。そこで次の Fig. 2....
木曽の怪物」より 著者:岡本綺堂
物も見えない。扨は例の怪物だナと悟ったから、この畜生めッと直ぐに鉄砲を向けると、其の人は慌てて私の手を捉え、アアモシ飛だ事を為さる、アノ坊さんに怪我でも為せては....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
、采女は一応の詮議をすると、彼は明瞭の返答を与えない。ただ自分が年来たずねていた其の人にきょう測らずもめぐり逢って、この館の姫であることが判ったので、その跡を慕....
画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
の者の挙動を窺っていると、光はますます明るくなって、人は次第に窓の方へ歩み寄る、其の人は女、正しく三十前後の女、加之も眼眩きばかりに美しく着飾った貴婦人で、する....
松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
止まり数人の間に限れり、故に利益の広狭より言えば、素より同日の論に非ず、然れども其の人の感情を動かすの深浅より言えば文章遠く演説に及ばず、且近来速記術世に行われ....