其の分[語句情報] » 其の分

「其の分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

其の分の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
先にと駈け集まって拾う。懐ろへ押し込む者もある。紙袋へ詰め込む者もある。たがいに其の分量の多いのを誇って、少年の欲を満足させていた。 しかし白樫は格別、普通の....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
極的な宗全は、自ら幕府に説いて勝元の領国を押収せんとした。かく挑発されて勝元も、其の分国の兵を募り、党を集めたのである。 細川方の総兵力は十六万人を算し、斯波....
運命」より 著者:幸田露伴
には刑を用いる太だ繁きこと、第三には治を求むる太だ速やかなることの三条を言えり。其の分封|太侈を論ずるに曰く、都城|百雉を過ぐるは国の害なりとは、伝の文にも見え....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
うそれが穢れて居るので、主家改易に際し金なぞを持って出る心が一体穢れて居るのだ、其の分けた金をもって買った物は私はどうも食いにくいから、私は矢張持参の物を此方で....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
には単に要所|丈を紹介するに止める。若しも読者にして、ゆっくり味読さるるならば、其の分量の少なきを憂えず、得るところ寧ろ甚だ多かるべきを信ずるものである。 近....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
一点の曇りは無いわ、何故今日となって左様な事を申出でたか、徒らに上を弄ぶに於ては其の分には捨置かんぞ」 文「恐れながら文治申上げます、不肖なれども理非の弁えは....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
の甥といえば己独りしかねえ」 五「それじゃア己ア家の分家だ」 太「そうよ」 五「其の分家が己ア家へ婿の来るのを知んねえで居るかえ」 太「フウン、誰へ婿が来るのだ....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
惑は、其の人々自身が保管して置くがいい。民衆には、民衆自身の苦痛や煩悶や疑惑が、其の分前以上にある。それ以上に増やす要はない。少数の或る人々が、「鼬鼠が卵を吸う....
ロウモン街の自殺ホテル」より 著者:牧逸馬
して現今各国の警察が採用している犯人並びに前科者の写真撮影法、及びカアド式に依る其の分類保存法は、博士が、自己の人体測定学に基いて一九〇七年に発表したもので、広....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
有るだろう」 若「些とぐらい私より分るものは居りまする」 客「分るものが有るなら其の分るものをよこせ」 若「丑刻過は不寝番の係で新助の係りではございませんから私....