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其の日
「其の日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
其の日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れて行かれたことと察したが、そのゆく先はもとより判らなかった。お亀は思案ながらに
其の日その日を送っていると、今度も十日目にお蝶はぼんやり帰って来た。ふところには....
「階段」より 著者:海野十三
国立科学研究所の門をくぐった。この国研は(国立科学研究所を国研と略称することも、
其の日知ったのである)東京の北郊飛鳥山の地続きにある閑静な研究所で、四階建ての真....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
するようであった。博士は最近、この毒瓦斯の精製法に成功したのであった。 博士は
其の日の午後、近くにせまる陰謀の計画をチェックしていた。すると、博士の愛するロボ....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
黒い隈が出来たような気になるのでした。 そうなるといつまでも黙りむっつりとして
其の日教わって来た数学の定理の証明を疑ってみたり、其の頃流行の犯罪心理学の書物に....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
て何の信号も入って来ませぬ。そして空しく其の夜は明けはなれて行きました。 僕は
其の日に例の将校連が来るかと不眠に充血した眼を怒らして待ちうけましたが、誰一人と....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
会社につとめているが、今では技師長の職に在る。それは今から七日程前のことだった。
其の日は重役との相談が長引いたので、会社の門を出た時は、もう薄暗かった。彼の家は....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
という評判のある、この「射撃手」事件が、突如として新聞の三面記事の王座にのぼった
其の日のこと、東京××新聞の若手記者|風間八十児君が、此の事件に関係ありと唯今目....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
臨時ニュースで、早朝から真夜中まで、ワンワンと喚き散らしていた。 そして遂に、
其の日は来た。 昭和十×年五月一日、日米の国交は断絶した。 両国の大使館員は....
「赤外線男」より 著者:海野十三
ているところへ、待ちに待った引取人が現れた。それは轢死後、丁度十四時間ほど経った
其の日の真夜中だった。 それは隅田乙吉と名乗る東京市中野区の某料理店主だった。....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
は窒素ばかりかと思われる汚い空気である。私は其の午後もそんな境涯に居た。然し私は
其の日に限って其の境涯を格別気にしなかった。今日一日で仕事が打切りになると云う事....
「キド効果」より 著者:海野十三
恐縮しきった丘は、そこでヒョコリと頭を下げた。 それから二ヶ月の月日が流れた。
其の日、丘助手は午前中大学に出勤するばんに当っていた。彼は例のとおり第二十八番教....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
につき転がすと、裏口を開いて、真暗な往来へ飛び出した。 踏切の方へ! 線路へ!
其の日の斎場の光景は、まことに厳粛を極めたものだった。何しろ、実力に於て首相格で....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
、ひどく師直の機嫌を損じて、いつどんな祟りを受けるかと、落ち着かない胸をかかえて
其の日を送っているかれの顔には、悼ましいほどの窶れを見せていたが、今夜はその顔の....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
と云う一種の疑惑で、迂濶に詰らぬ事を云い出して、飛だお笑い種になるのも残念だと、
其の日は何事も云わずに了ったが、何う考えても夢ではない、確に実際に見届けたに違い....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
で飴色の腹に段々鼠色の斑が浮いて出る沢山の鮎の姿を思い出すとうんざりした。商売は
其の日の運不運だから、それはまあよいとして、此頃頻りに手詰まって来た金の運転には....