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其れに
「其れに〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
其れにの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
角も駈戻ったのである。 以上の報告を聞いて、市郎も色を変えた。対手は※か、或は
其れに似寄の曲者か知らぬが、何れにしても彼等に襲われた父の運命は、甚だ心許ないも....
「北と南に憧がれる心」より 著者:小川未明
るものであることは、ドストエフスキイの作を読んだものはすべて知るところであろう。
其れに憧がれる、理想主義者の心持を面白く思うと同時に、またお伽噺《とぎばなし》の....
「芸術は生動す」より 著者:小川未明
のであります。奇怪な事件が重なり合っているような場合であっても見ている時は成程、
其れによって、いろ/\なことを想像したりまた感興を惹かれたりしても、一たび外に出....
「草木の暗示から」より 著者:小川未明
との出来るような生活が本当の生活であるのです。 自然は、無限美を包蔵している。
其れに対して、さながら盲目のように、私達は、其れを享楽することが出来ない。こゝに....
「童話の詩的価値」より 著者:小川未明
でないと思われます。すべて命のあるものには霊魂の共鳴がなくてはなりません。しかし
其れには、愛よりも、無邪気ということがこの神秘の関門をくぐる唯一の鍵であります。....
「人間性の深奥に立って」より 著者:小川未明
か。試みに小学校の修身書を一瞥してもすぐ分ることであるが、その並べられた題目と、
其れに関する概念的な口授式の教授ぶりとが、ほんとうの人間性の結晶と思っては大間違....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
え乗り越え、死生知らずに戦ふ。御方の兵と申すは畿内近国の駆武者なれば、親手負はば
其れに事づけて一門引連れて子は退く。主討たるれば、郎等はよき次でとて、兄弟相具し....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
所が何うやら戸に成って居る様だ、アア時計の音に連れ此の戸が開くのだ、開くからして
其れに連れて鎖も大小の歯車も緑盤も皆動くのだ、余は之だけの発明に大なる力を得て、....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
住人、一家|惣領《そうりょう》の末であった小山小四郎が田原藤太相伝のを奉りしより
其れに改めた三頭|左靹絵《ひだりどもえ》の紋の旗を吹靡《ふきなび》かせ、凜々《り....
「死生」より 著者:幸徳秋水
恵も遁がれ得ぬ、何者の威力も抗することは出来ぬ、若し如何にかして其を遁がれよう、
其れに抗しように企つる者あらば、其は畢竟愚癡の至りに過ぎぬ。只だ是れ東海に不死の....
「触覚の世界」より 著者:高村光太郎
きくと若い独逸人は知らぬ間にポルーションを起すという。私にはその経験こそなけれ、
其れに近い恍惚を感ずる事は事実である。音楽に酔うというのは卑近に言えば酒に酔うと....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
げて何気なく、奥の六畳の方を振返ると、あの薄暗い壁際に、矢張りお前の箪笥がある。
其れには平常の通り、用箪笥だの、針箱などが重ねてあって、その上には、何時からか長....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の容子に掩い難い侮蔑を見せたが、今年来て見た時は、眼色に争われぬ尊敬を現わした。
其れに引易え、或信心家は最初片っ方しか無い車井の釣瓶なぞに随喜したが、此頃ではつ....
「職工と微笑」より 著者:松永延造
之は厭な云い廻しだ。」と聴き手は私の鬱陶しい衒気を瓦斯の様に嫌うに極まっている。
其れに何の無理があろう。私も自分自身が随分厭なのだ。 それにも拘らず、いや、寧....
「錦木」より 著者:宮本百合子
方が悪いのだ』と思いながら口には出しかねてだまって居るんじゃあないかい」 女は
其れには答えないで、 「私はお察し申して居ります。私は貴方がお悪いとは決して思っ....