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「其内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

其内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
姪子」より 著者:伊藤左千夫
公町公と云ったのもまだつい此間の事のようで、其大人ぶった挨拶が可笑しい位だった、其内利助も朝草を山程刈って帰ってきた、さっぱりとした麻の葉の座蒲団を影の映るよう....
守の家」より 著者:伊藤左千夫
えられなかった。母はお松の母と話をしてる。お松の母は母を囲炉裏端へ連れて行った。其内にお松は自分をおぶって外へ出た。菓子屋で菓子を買ってくれた。赤い色や青い色の....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
探し出されて、椋島の誠意を伝えられたが、それは遂に好意であって得恋ではなかった。其内に識るともなく父鬼村博士の陰謀に気付き、夜に昼を継いで歎きかなしんだため、到....
黒板は何処から来たのか」より 著者:小倉金之助
或ハ亂雜ニ書スル等ノ不規則ヲ生ズル故ニ、教師塗板ヘ書スルトキ、縱横ニ直線ヲ引キ、其内ニ正シク書シ、生徒ヘモ亦此ノ如ク、石盤ヘ線ヲ引キテ書セシムベシ、塗板ヘ書スル....
死者の書」より 著者:折口信夫
い北の屋にあった。その西側に、小な蔀戸があってになるように出来ている。そうして、其内側には、夏冬なしに簾が垂れてあって、戸のあげてある時は、外からの隙見を禦いだ....
二少女」より 著者:国木田独歩
週間の病気届、これは正規で別に診断書が要らない、其次は診断書が付て五週間の欠勤。其内五週間も経た、お秀は出て来ないのみならず、欠勤届すら出さない。いよいよ江藤さ....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
横切りて長き石廊に登り行詰る所に至れば厳めしき鉄門あり、番人に差図して之を開かせ其内に踏み入るに是が牢屋の入口なる可く左右に広き室ありて室には幾人の巡査集れるを....
無惨」より 著者:黒岩涙香
眉黒き方目耳尋常左りの頬に黒|痣一ツあり頭散髪|身長五尺三寸位中肉○傷所数知れず其内大傷は眉間に一ヶ所背に截割たる如き切傷二ヶ所且肩より腰の辺りへ掛け総体に打の....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
し、狼は如何にも悪党らしく、狐は奸智に長けた風になって居る、など中々巧みである。其内獅子王だけは唐服を着して居り、又蟻は頭の上に止ったように描かれてあるのが子供....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
法廷に於て、牧師の前に於てなしたる被告の精神上の告白を、証人として其まゝ裁判所が其内容を強要し得るや否やの点である。現に予は第一審に於て、当時の裁判長の前に於て....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
かへのよし、さてさて残念なる事に御座候。在宿の事はいそがしく、前より申上かね候。其内御近所へまゐる序御坐候まゝ、其時参上申承るべく候。又御主人様へも御目にかゝり....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
て来た。崖頭が行けなくなると左に廻って、岩間を塗り固めた雪の壁に鉈で足場を刻み、其内縁を伝いながら岩峰の横を搦んだりなどする。一度岩の狭間が相対して幅三、四尺高....
八ヶ峰の断裂 」より 著者:木暮理太郎
で山田の通った所を廻ることにして、百米も下ったろう。すると好い工合に岩壁が崩れて其内側に樺の立木が生え続いている所に来た。それを伝って下ると谷底に向って傾いた一....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。其は吾家の燈火が見る人の喜悦になれかしと謂うのであった。多少気張っても見たが、其内くたびれ、気恥かしくなって、儂は一切説法をよした。而して吾儘一ぱいの生活をし....
太十と其犬」より 著者:長塚節
ので到底逃げる処を打ったという事実の分疎は立たぬというのを聞いて皆悄れて畢った。其内怪我人の危険状態は経過した。然し全治までには長い時間を要すると医師は診断した....