» 其昔

「其昔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

其昔の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
末には持余して、彼等が悪事を働かない限は、其ままに捨てて置くらしい。 虎ヶ窟は其昔、若き恋に酔えるお杉と重蔵との隠れ家であった。彼女は今や白髪の嫗となっても、....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
を食わせたら何というだろうかなどとも考えた。 「今お話をした今宮さんのようなのが其昔にもあったそうですよ。」と、老人はまた話し出した。「名は知りませんが、その人....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
、一人は妖艶な町娘、それに男は武士とは云っても、清元の名手で寧ろ芸人そうして女は其昔は女軽業の太夫である。それが春の日の閑静な部屋に、二人だけで向かい合っている....
運命」より 著者:幸田露伴
足らず、侍読の身として日夕奉侍すれば、一意たゞ太孫に忠ならんと欲して、かゝる例は其昔にも見えたり、但し諸王の兵多しとは申せ、もと護衛の兵にして纔に身ずから守るに....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ばし》といえば云うにも足らぬものだが、淀川両岸に多いアノフェレスという蚊の嘴は、其昔其川の傍の山崎村に棲《す》んで居た一夜庵《いちやあん》の宗鑑の膚《はだえ》を....
風流仏」より 著者:幸田露伴
る輩是も却て雪のふる日の寒いのに気が付ぬ詮義ならん。人間元より変な者、目盲てから其昔拝んだ旭日の美しきを悟り、巴里に住んでから沢庵の味を知るよし。珠運は立鳥の跡....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
るなり。此の如く着用するの貌を自らは其全体を見る事能わざるも、傍人の有様を見て、其昔宇治橋上に立ちて戦たる一來法師もかくあらんかと思われたり。 かかる着用にて、....