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「其者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

其者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
を撞砕した坪内氏の大斧は小説其物の内容に対する世人の見解を多少新たにしたが、文人其者を見る眼を少しも変える事が出来なかった。夫故、国会開設が約束せられて政治休息....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
、独り大きな題目のみが人間の奥深い臓腑を揺り動かす事の出来るものである。今、現実其者が詩になっている。そして人々が人類の大利益たる主権と自由との為めに闘っている....
草木の暗示から」より 著者:小川未明
もし今日の知識階級と名の付く者の中に、社会主義的精神の分らない者があったなら、其者は馬鹿とか利巧とか評される前に恐らく良心がないかを疑われるであろう。正邪、善....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
んで転ぶもあり首をとつて立ちあがれば其首は、我主なりと名乗つて鑓つけるを見ては又其者を斬り伏せ後には十八九歳の草履取りまで手と手を取合差違へ候」とある。両旗本の....
放免考」より 著者:喜田貞吉
考」二十八に、 平人にても科人にても、悪者一人差止め、岡引と名付け、手引致させ、其者の罪を免じ、外科人を召捕候。 とある。また「反古の裏書」二に、 軽罪の囚一等....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
かった。 元来絶対的に悪といふものはない。物の本来に於ては皆善である。悪は物|其者に於て悪なのではない。実在体系の矛盾衝突より起るのである。罪悪は宇宙形成の一....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
藻西太郎より外の者が老人を殺し其疑いを藻西に掛ようと思ッて血の文字を書たのなら、其者こそ文字は右の手で書くか左の手で書くかも知ぬ馬鹿ものと云わねばなりますまい、....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
の如くである。 鑑定事項 一、大正六年押第二八八号二十八の頭蓋骨につき其者の性、年齢、顔貌の特徴、栄養の程度及び能うべくば死因の鑑定をする事。 特に上....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
いう奴は当家に於て差赦《さしゆる》し難き者でござると言明すると、何《ど》の家でも其者を召抱えない。若《も》し召抱える大名が有れば其大名と前の主人とは弓箭沙汰《き....
死生」より 著者:幸徳秋水
うの自由は有たぬ。百年の後ち、誰か或は私に代って言うかも知れぬ、孰れにしても死刑其者はなんでもない。 是れ放言でもなく、壮語でもなく、飾りなき真情である、真個....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
い光の下に、銘々の分捕品を取り捲いて、彼等が坐っていた時、彼はたとい、彼等が死骸其者を売買する醜怪な悪鬼どもであったとしても、よもこれより烈しくはあるまいと思わ....
善の研究」より 著者:西田幾多郎
状態であるかのように思われるかも知れぬが、種々の意味とか判断とかいうものは経験|其者《そのもの》の差別より起るので、後者は前者によりて与えられるのではない、経験....
我が子の死」より 著者:西田幾多郎
悟った。カントがいった如く、物には皆値段がある、独り人間は値段以上である、目的|其者《そのもの》である。いかに貴重なる物でも、そはただ人間の手段として貴いのであ....
新女大学」より 著者:福沢諭吉
年の事を想起し、其数年の間に如何なる男女が果して最上にして自分の意に適したるや、其者は誰々と指を屈したらば、おの/\一得一失にして、十分の者は甚だ少なかる可し。....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
へずして、偽りて我なりと白状する事あるを、白状だにすれば真偽をばさのみたゞさず、其者を犯人として刑に行ふ様の類もあるとか、是又甚有るまじき事なり。刑法の定りは宜....