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其角
「其角〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
其角の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずく通信」より 著者:太宰治
なりません。剣道の先生も、一日限りでたくさん也。みみずくの、ひとり笑いや秋の暮。
其角《きかく》だったと思います。十一月十六日夜半。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あるか無きかのように光っていた。 二 綱が立って綱が噂の雨夜かな――
其角の句である。渡辺綱が羅生門の鬼退治に出て行ったあとを見送って、平井ノ保昌や坂....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
鯛には骨が多い、柳鰈の御馳走を思出すと、ああ、酒と煙草は、さるにても極りが悪い。
其角句あり。――もどかしや雛に対して小盃。 あの白酒を、ちょっと唇につけた処は....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
秋の暮」の短冊であった。それが真物でないことは其月にもひと目で判った。もう一つは
其角の筆で「十五から酒飲みそめて今日の月」の短冊で、これには其月もすこし首をかた....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
明瞭《めいりょう》に聞き分けられるであろう。同じように、たとえば「炭俵」秋の部の
其角《きかく》孤屋《こおく》のデュエットを見ると、なんとなく金属管楽器と木管楽器....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
だ、そうきめて、僕は頭と目とを疲らせる眠り薬の、一週間ほど前から読みかけている『
其角研究』を読み始めた。 翌日は尾行をまいて歩き廻った。はたして思うように行か....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
子自重面欄莫怪 はじめの一行は「無用の者入るべからず」。 あとの君子自重は、
其角の「このところ小便無用花の山」に似て、後者の風流を狙って俗なるに比し、ずっと....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
凧の句を二ツ三ツ挙げて見よう。 えた村の空も一つぞ凧 去来 葛飾や江戸を離れぬ凧
其角 美しき凧あがりけり乞食小屋 一茶 物の名の鮹や古郷のいかのぼり 宗因 糸つ....
「二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
負い上げて仕舞いました。プカの頭には長い角が生えていました。驚いた笛吹きは確かり
其角につかまり、さてプカに向って云いました。 「獣奴! 消えてなくなれ! 俺を家....
「小さな旅」より 著者:富田木歩
こともなく帰途についた。三圍神社の蓮池には周囲の家の灯影が浮いて蛙が鳴いている。
其角堂では今頃何をしているだろうか。 青蘆に家の灯もるゝ宵の程 対岸の十二....
「紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
が、「変な時世になったものじゃ。私には一向解らない」 すると、座敷の隅の方で、
其角を相手に話し込んでいた英一蝶が坊主頭を、半兵衛の方へ振り向けたが、 「石町、....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
らボーンと響く。こんな形容は既に古い。「鐘一つ売れぬ日はなし江戸の春」耽溺詩人|
其角の句、まだこの方が精彩がある。とまれ江戸は湧き立っていた。人の葬式にさえ立ち....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
かは存じませぬが、賑わう浅草の境内で時は桜の真っ盛り、喧嘩沙汰とは気の知れぬ話、
其角宗匠が生きていたら、花見る人の長刀、何事だろうと申しましょう。喧嘩貰った、お....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
寄せここらならばと遠くお台所より伺えば御用はないとすげなく振り放しはされぬものの
其角曰くまがれるを曲げてまがらぬ柳に受けるもやや古なれどどうも言われぬ取廻しに俊....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
節を習ったろう、あのーなにを唄ったろう……あれは端物だがいゝねえ、英一|蝶の画に
其角が賛をしたという、吉田の兼好法師の作の徒然草を」 若「へえ何方さまで」 客「....