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其音
「其音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
其音の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
死に浅田の魔手から逃れようとする、計らずも起った格闘にドタンバタンと音がしたが、
其音に駆けつけて来たのは誰ぞ、それは思いがけなくも夜叉のような形相をしたお篠だっ....
「平凡」より 著者:二葉亭四迷
り》で大丸太を挽割《ひきわ》るような音だ。何だろうと思って耳を澄していると、時々
其音が自分と自分の単調に※《あ》いたように、忽ちガアと慣れた調子を破り、凄じい、....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
音が聞えた。主人も客も其の音に耳を立てたというほどのことは無かったが、主人は客が
其音を聞いたことを覚り、客も主人が其の音を聞いたことを覚った。客は
其音が此|家へ....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
は最も親く且つ予と年齢も同きを以て最も親くせり。爾後政府も代り、数十年を経て互に
其音信を為せる事ありしも、然るに偶然に同氏と面会するに、かかる山間なる僻地に既往....
「二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
奏してあげなさい」 笛吹きは云われる通り笛を吹きました。年を取ったお婆さん達は
其音につれて踊り出し、皆へとへとになる迄踊り抜きました。踊りがすむと、プカは笛吹....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
である。彼は茶筌の音を聞いて、ふと真夜中に眼を醒ました。衾の上に起き上り、じっと
其音へ耳を済ます。と、
其音は思いもよらず隣の室から聞えて来る。 彼は思わず衾を....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
になって来た。で彼は思わず斯う云った。 「お前の頭もてぎてぎよ」 すると戸外の
其音は以前よりも一層鮮明と、 「稚子法師の頭はてぎてぎよ」 「てぎてぎてぎてぎて....
「荘子」より 著者:岡本かの子
章を抽いてみる=状如鯉魚、魚身而鳥翼、蒼文而首赤喙、常行西海、遊於東海、以海飛、
其音如鶏鸞。 だが東海の海近い姑蘇から出発して揚子江を渡り、淮河の胴に取りつい....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
から家の内《なか》まで入って来て、鈴のついた納簾《のれん》の紐《ひも》をゆする。
其音につれて一しお深くなったように思われた。
其音は風鈴売が※子窓《れんじまど》の....