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其香
「其香〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
其香の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
るにや、頓て彼れ衣嚢を探り最太やかなる嗅煙草の箱を取出し幾度か鼻に当て我を忘れて
其香気を愛る如くに見せ掛る、去れど余は兼てより彼れに此癖あるを知れり、彼れ其実は....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
た態は、見られたものではない。然し墨染の夕に咲いて、尼の様に冷たく澄んだ色の黄、
其香も幽に冷たくて、夏の夕にふさわしい。花弁の一つずつほぐれてぱっと開く音も聴く....
「連環記」より 著者:幸田露伴
何様いうものだったか知らぬが、自然の法輪に逆廻りは無かったから、定基はあさましい
其香に畏れ戦いて後へ退ったのである。人間というものは変なもので、縁もゆかりも無い....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
そこへ行くまでがなかなか危い。強盗の沢山居る中を行かなくちゃあならんから首尾よく
其香を買出して来たところが、果たしてラサ府まで持帰れるかどうか、その間に強盗のた....