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「具わる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

具わるの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
画室の言葉」より 著者:藤島武二
すだけでは駄目である。自己にエスプリのある批評家になってこそ初めて、絵を見る力が具わるのである。どれ程巧みに何程多弁に批評が語られていても、エスプリを見得ない批....
十二支考」より 著者:南方熊楠
十丈、あるいは十丈に盈《み》つ、小さきはわずかに一、二尺、あるいは三、四寸、体皆具わる、かつて因って采《と》り取《あつ》めこれを見る、また曰く冀州|鵠山《こくさ....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
質だと考えられている。処が他方に於て、こうした個々の常識内容は人間の健全な理性に具わる云わば本能のような必然性によってヴァリディティーを与えられているのだったか....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
、他は人に向うのである。われ等が出発点に於て先ず訴えんとする最高の法院は、人類に具わる所の理性である。われ等は理性を要求する。何となれば古代の聖者も、ただ理性に....
野に声なし」より 著者:豊島与志雄
の進展があり得る。芸術家にとって望ましいのは、前者よりも寧ろ後者である。両者かね具わるのは最もよろしい。 表現の技巧の進歩のみあって、心境の進展のない時、その....
青春論」より 著者:坂口安吾
『五輪書』には道学者的な高さがあり『夢酔独言』には戯作者的な低さがあるが、文章に具わる個性の精神的深さというものは比すべくもない。『夢酔独言』には最上の芸術家の....
神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
手腕にもよるが、処世上の手腕がまた大切で、特に治病を促進するものは何よりも医者に具わる暗示力ではないかということをひそかに考えていたのである。 「阿二羅大夫人な....
哲学入門」より 著者:三木清
識の内容は経験的なものであるが、その形式は先験的なものである。知識の形式は主観に具わるものである。しかし合理論において考えられる如く、思惟はそれ自身によって知識....
日月様」より 著者:坂口安吾
かならぬ話にこもる凄味はさすがに胸にこたえた。 「文学の指導たって、芸ごとは身に具わる才能がなければ、いくら努力してみたって、ダメなものですよ。それを見た上でな....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
なんか、ないわ」 「ヤ。失礼。すみません。ぼくは、ダメなんだ。すべての栄耀は人に具わるもの、そねむなかれ、という呪文を朝晩唱えるようになったからね。しかし、あな....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
器武術というものは、これは存在しなければならないものだ。なぜならば、これが神仏に具わる時には威風となり、崇敬すべき装飾となる。ところが野郎がいじくるから、神仏を....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
乗じて事の轍《てつ》を改むることなくば、政府にて一事を起こせば文明の形はしだいに具わるに似たれども、人民にはまさしく一段の気力を失い文明の精神はしだいに衰うるの....
料理する心」より 著者:北大路魯山人
と、頭も働き、からだもおのずと動き、よい知恵も出まして、自然と料理に必要な条件も具わるものであります。 それでぜいたく言いますと、元々好きでするのでなくては、....