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具体性
「具体性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
具体性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
抽象的の類概念を得るに過ぎない。文化存在の理解の要諦《ようたい》は、事実としての
具体性を害《そこな》うことなくありのままの生ける形態において把握することである。....
「世相」より 著者:織田作之助
れはね、曖眛な思想や信ずるに足りない体系に代るものとして、これだけは信ずるに足る
具体性だと思ってやってるんですよ。人物を思想や心理で捉えるかわりに感覚で捉えよう....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
介されるべきものとして、又はこれにまで既に媒介されたものとして、初めて自分自身の
具体性を得ることが出来る。この媒介の手続き――之には併し一定の組織的な方法が要る....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
らこそ問題なのであるが――は、もはや最初の具体的事物とは全く別である。この事物の
具体性が分析に際して形式と内容との連帯性として働かない時、その分析は虚偽としての....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
第一にイデオロギー(文化)がその「論理」と歴史(社会――やがて階級)との相乗積の
具体性の下に取り上げられる。それが「イデオロギーの論理学」の問題だったのである。....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
ういう個々の現象なるものは実は――特定の抽象を条件とする場合は別として――充分な
具体性に於ては、無いのだということに外ならない。 そして確率のこの客観性である....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
れは今日に至るまでの哲学問題一般の発達を抜きにしては、即ち今日に於ける物質問題の
具体性を抽象し去っては、何の解決へも齎される筈はない。――だが、そのためには恰も....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
の観念などが発生する――M・ヴェーバーの如き)。 公式的分析が目標とする事物の
具体性(分析の
具体性)と性格描写が目標とする事物の
具体性(描写の
具体性)とは、決....
「辞典」より 著者:戸坂潤
式な形式ではなくて、内容の圧力によって自己の形態を形成して行く質料であり、事物の
具体性の最後の拠り処である。夫は物理学的認識に於て物理学的物質の概念を与えるばか....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
上で修正されたのが、今度公表された内容だとすると、多分それは、採り得べきであった
具体性に較べて、まだまだ抽象的な形態に止まっているものに相違ない。なる程諸事実・....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
そうであるらしいと自分の想像したことを、理論だけで話さなければならない。私がいま
具体性を与えた自分の本性の悪の面は、私がたった今すてたばかりの善の方面ほどに強く....
「科学的精神とは何か」より 著者:戸坂潤
先行者の文章を公式として引用する。之は引用の第一の用途だろう。問題はただ、特殊の
具体性をもったその時々の思想内容をば古典的な公式に還元することによって、折角の特....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の生命はいみじくも悟得されようが、鶴見が懐抱しているような、無碍自在なる事象界の
具体性が実証されているものとはどうしても思われない。譬喩があって象徴がないからで....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
歩は、将校のちょっとした上陸から発見して、それを伝えている。この「愛弟通信」は、
具体性に於て、際物的戦争小説の比ではない。 しかし、この時の独歩の体内に流れて....
「印度の詩人」より 著者:国枝史郎
種読んでいるし、戯曲も「郵便局」その他幾篇か読んでいる。正直のところ、その詩は、
具体性が無いという点で、私にはあまり好ましくなかった。私にはシェレーの「雲雀の歌....