具備[語句情報] »
具備
「具備〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
具備の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
とを無言のうちに有力に語っていなければならぬ。口は、異性間の通路としての現実性を
具備していることと、運動について大なる可能性をもっていることとに基づいて、「いき....
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
われているヒマラヤ山にも、または山岳という山岳の、種々相を、殆んど無数に、無類に
具備しているというアルプス山にも、絶無な風景を作っている。 私は従来の風景論者....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
上の恒星や太陽の中には、地球や火星の如き生物棲息に都合のよい大気圧や気温や環境を
具備した惑星を率いているものが相当にあると考えられるではないか、いわんやわが太陽....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
三つの護符を胸に垂らしていたが、その一つは月の鎌の形をしており、第二のものは輻を
具備した車輪か、あるいは十字(太陽の象徴)の形をしており、また第三のものは一つの....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
窩を刺戟して、イエンドラシック反射を起さねばならない――。そういうすべての要素を
具備しているのが、この手働四輪車でして、その犯行は寸秒の間に、声を立てる間がなか....
「海底都市」より 著者:海野十三
え違うわ、わたくしは、改造以前の人間といえども、海に棲息《せいそく》し得る特質を
具備《ぐび》していると思うの。それは、あの人類は、海から陸へあがってから八千万年....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
し去らねばならぬ。 宗教にして、真にその名に背かぬが為めには、必然的に二方面を
具備せねばならぬ。他なし一は神に向い、他は人に向うのである。われ等が出発点に於て....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
た、征矢野という家の輪廓であった。 (もうこれだけでも犯罪の起こる、立派な条件が
具備されている)鷺ノ森の方へ歩きながら、貝十郎はそんなように思った。 (隼二郎と....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
あった。十年後の日露戦争になると、それはます/\発展して、戦争は××××的性質を
具備した。 戦争開始前、「万朝報」によった幸徳秋水、堺利彦、黒岩涙香等は「非戦....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
国政に容喙するならば、その過去と現在の生活環境とよりして、決して充分の資格条件を
具備するものと云うことは出来ない。軍人は軍人としての特殊の観点に制約されざるをえ....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
とは彼等の如き境涯を指すものであろう、真に憐むべし、彼等は趣味的形式品格的形式を
具備しながら其娯楽を味うの資格がないのである、されば今彼等を救済せようとならば、....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
ぬけれど、手などの具合が女のようにか弱く見えるのは、いよいよ犯罪者としての条件を
具備するわけだ」 「それでは君は、この男が今度の事件に関係していると思うのか」 ....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
でもハッキリと見えるし、大氷河でなくては、滅多に見られないところの、側堆石までを
具備しているのでも伺われる、終堆石は弦の切れた半弓を掛けたように、針葉樹帯の上に....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
なき上臈が妻となっても不思議はなかろう。かくして終には炭焼長者も名と実とをともに
具備して、押しも押されもせぬ立派な身分になるのである。 長者物語は各地の長者屋....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
うことはない大胡坐で楽にいてくれ、とおずおずし居るを無理に坐に居え、やがて膳部も
具備りし後、さてあらためて飲み干したる酒盃とって源太は擬し、沈黙で居る十兵衛に対....