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具現
「具現〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
具現の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女生徒」より 著者:太宰治
信念をも持ちたいと、あせっている。しかし、これら全部、娘なら娘としての生活の上に
具現しようとかかったら、どんなに努力が必要なことだろう。お母さん、お父さん、姉、....
「風の便り」より 著者:太宰治
。君の作品の中に十九世紀の完成を見附ける事は出来ても、二十世紀の真実が、すこしも
具現せられて居りません。二十世紀の真実とは、言葉をかえて言えば、今日のロマンス、....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
《かくざいてき》沈潜のために形成さるる内部空間は、排他的完結性と求心的緊密性とを
具現していなければならぬ。「四畳半《よじょうはん》の小座しきの、縁《えん》の障子....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
筋が立っている。例えば「神の三一性に関する彼(アウグスティヌス)の思想が弁証法の
具現であって、その父、子、霊の関係が我々の論理に於ける類、個、種の関係に対応する....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
。 AH・SI! 何という西班牙らしさ! 闘牛は彼らにとって伝統的国家精神の
具現なのだ。宗教以上の宗教、第一位の信仰なのだ。黒い彫刻的な男の横顔と、白く閃め....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ラチアの眼には、芸術それ自身の面影たる人であり、人生におけるすべて崇高なるものを
具現してる人であった。彼女は泣き出したくなり、逃げ出したくなった。それでもぜひな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
現今の交響曲《シンフォニー》は、胴体のない頭ばかりである。おう才人たちよ、一身を
具現したまえ。民衆と親和する音楽家らの気長い世代が必要なのだ。一つの音楽芸術は一....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
るんだところがあるせいで、その代り天真ランマン、近代人に欠乏してゐる人生の希望を
具現してゐるところがある。然し、身の丈が低すぎるから、 「セイはどのぐらゐ?」 ....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
見ていたものは現世だけだ。現世と、そして、妄執だけなのだ。そして、現世への妄執が
具現したものが、法隆寺であり、金色堂であり、東照宮であった。高雅な精神などは、ど....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
夜に襲って殺戮しようとした、老樵夫のような人物が――もっとも今は威厳と信仰とを、
具現したような風采をしている――白河戸|将監その人が、娘の小枝を側に立たせ、自身....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
して、その実相をあるがままに捉えねばならない。帰一と同時に開展する。そこに事象の
具現性が見られる。巻くことが展げることと同義になる。巻くというのも展げるというの....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
間が現在位置している場所、つまり、職業とか身分地位というようなものを綜合的によく
具現しているに相違ないからである。声にはその人間の確信も信念もこもるものだし、そ....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
甲武信岳の方から、釜無川は甲斐駒の方から、峡中を流れて鰍沢で合し、俄然大河の相を
具現して湲に移り潺に変わり、とうとうの響きを打って東海道岩淵で海へ注ぎ込む。富士....
「人間山中貞雄」より 著者:伊丹万作
お人よしのようにも見える彼の一面に非常に鋭いものが蔵されていたり、そのまま仏性を
具現しているような彼の顔に、どうかした拍子に煮ても焼いても食えないようなずぶとい....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
判の上に社会党躍進の大勢は整備されつつある。私は私年来の主張たる社会党一本の姿の
具現の為にあらゆる努力を捧げたいと思って居る。私は右の信念の下に党の運営の為東奔....