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「典薬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

典薬の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
声を沈ませて言った。 「おお、御奉公に出た明くる年の春の末じゃ。関白殿のお指図で典薬頭《てんやくのかみ》が方剤《ほうざい》を尽くして、いろいろにいたわって下され....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
、その晩以来、病気届けをして、公方のお成りをさえきっぱりとことわった。 すぐに典薬《てんやく》が、何人か閨房《けいぼう》に派出されたが、彼等は、ただ、小首をか....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
も、他家に較ぶれば華やかであった。しほの母は素京都|諏訪神社の禰宜飯田氏の女で、典薬頭某の家に仕えているうちに、その嗣子と私してしほを生んだ。しほは落魄して江戸....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
う事蹟は動かせないことだし、更にその以前に遡《さかのぼ》って見ると、延喜式の中に典薬寮に納むる貢進種目として「近江七十三種、美濃六十二種」とある薬草は、そのいず....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
残らずが、黒姫の裾野の怪旋風に両眼殆ど潰れたも同然、表方の侍とても皆その通りで、典薬が手当も効を見ず、涙が出て留度が無かった。 されば本陣御着にても、御湯浴、....
壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
一 寛政五年六月中旬の事であった。羽州米沢の典薬|勝成裕が、御隠居|上杉鷹山侯(治憲)の内意を受けて、一行十五人、深山幽谷に....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
しい坂東武者もこの頃は恋い死なぬばかりに思いわずろうている。この病いは和丹両家の典薬どもにも匙を加えようがない。加持祈祷の効験もない。枕もとには重恩の家の子、老....
三枚続」より 著者:泉鏡花
て来て、訛沢山で、お舌をなどという風ではない。光起の亡き父も、義庵と称して聞えた典薬頭、今も残っている門内|左手の方の柳の下なる、この辺に珍しい掘井戸の水は自然....
三国志」より 著者:吉川英治
帝は、かれの病の篤い由を聞かれると、ひと事ならずお胸をいためられて、さっそく典薬寮の太医、吉平というものに命ぜられて、かれの病を勅問された。 吉平は、みこ....
三国志」より 著者:吉川英治
ったとみえる。周瑜は営中の一房に安臥しても、昏々とうめき苦しんでいる。 軍医、典薬が駈けつけて、極力、看護にあたる一方、急使は、呉の主孫権の方へこの旨を報らせ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
て来いといった」 彼女らは、遠くすべって、おののきの指をそろえた。 「ご近習や典薬頭から、お目ざめの都度には、きっと、さし上げるようにとのことで」 「ばかな。....
私本太平記」より 著者:吉川英治
にも洩れて、それは洛内じゅうの大きな関心事とならずにいなかった。 朝廷からは、典薬頭の和気、丹波の二家をさしむけられ、門前には見舞の公卿車もあとを絶たない。 ....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
弓を造る弓削部とか、鎧を造る鎧作とか、雅楽寮の楽戸、主船司の船戸、造酒司の酒戸、典薬寮の薬戸、造兵司の雑工戸、主鷹司の鷹戸などとかいう様な、一定世襲の職業を持っ....
大岡越前」より 著者:吉川英治
レバ、冬ナレバ、夜着蒲団ヲ厚ウシ、犬医者ヲ呼ブ也。犬医者ト申スハ、御用医者ニテ、典薬ノゴトク、六人肩ニシテ、若党、草履取、薬箱持チ、召シツレテ来ル。脈ヲ見、薬ヲ....