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「兼備〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

兼備の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
学、美術、演劇、音楽の品定めがそこで成立つ。現代における思潮の淵源、天堂と食堂を兼備えて、薔薇薫じ星の輝く美的の会合、とあって、おしめと襷を念頭に置かない催しで....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
れかけたのを、床の間にかかっている韓退之の詩『雲横秦嶺』を読んで命を助かった文武兼備の豪傑である。 戦い果てて後、信長、稲葉の功を賞し、自分の一字をやって、長....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
悠々閑々として牀几に腰かけ、お茶を三杯まで飲んだ。 謙信も亦、信玄に劣らぬ文武兼備の大将で、文芸の趣昧ふかく、詩にはおなじみの、 |霜満秋気清 数行過雁月三更....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
方は、未だお部屋住では有りますが、勇気の優れた方で、活溌なり学問もあり、実に文武兼備と講釈師なら誉る立派な殿様でございますなれども、そこはお大名の疳癪で、甚く逆....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
かのように、二人はいつまでも黙っていた。 若さと美貌と勇気と名声、これを一身に兼備している葉之助のような人物こそは、お露のような乙女にとっては、無二の恋の対象....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
雲の、あの青鳶も、この人のために方角を替えよ。姿も風采も鶴に似て、清楚と、端正を兼備えた。襟の浅葱と、薄紅梅。瞼もほんのりと日南の面影。 手にした帽子の中山高....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
い」 「それはいけません。ワタシは頭で働きますんで」 「生意気云うな。人間は智勇兼備でなければならんぞ。キサマらは民主主義をはきちがえとる。平和こそ力の時代であ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いらしく、虎之介の前には持参の竹の包がちらかっている。 「その未亡人は、智力胆力兼備の女丈夫さ。事に処して神速適切、殆どあやまったところがない。沈着細心、大丈夫....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
が国中古は封建時代と称し、各地に大名が割拠していた。その大名には騎士と称する仁義兼備の若武者が、武芸を誇って仕えていた。その騎士は原則として、魑魅魍魎盗賊毒蛇、....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
ているのは、四十年輩の立派な人物、外ならぬ千葉定吉で、周作に取っては実の弟、文武兼備という点では周作以上といわれた人、この人物であったればこそ、北辰一刀流は繁昌....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
仕方がないから水道の蛇口を指で押えて噴水をつくッて馬にぶッかけて実用と娯楽の両面兼備のヒマツブシに熱中したりしている。 モッタイない話だなア。私は東京の馬湯も....
露伴の出世咄」より 著者:内田魯庵
を尋ねて来た書生があって、小説を作ったから序文を書いてくれといった。学海翁は硬軟兼備のその頃での大宗師であったから、門に伺候して著書の序文を請うものが引きも切ら....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ろん出来ない。普通人民の子供でありさえすれば、誰でも五、六十年の修行を重ねて学徳兼備の高僧となればこの位に就くことが出来るです。 ですからむしろ実地の学徳の上....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、女王に仕える公的な義務とを整調すること、政府人としての感情と友人としての感情を兼備すること、廉恥心と野心の間に真の平衡を保つこと――エリザベスと話す間、複雑な....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
禅師のような上品な、至純な、非凡的能筆が生まれており、江月和尚のように味と見識を兼備えた調子のいや高いものも存在している。私は良寛様の書道が一方的な型趣味に囚わ....