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兼行
「兼行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
兼行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
すると、来月号の締切り日は――弔辞《ちょうじ》などを書いている場合ではない。昼夜
兼行に勉強しても、元来仕事に手間《てま》のかかる彼には出来上るかどうか疑問である....
「赤外線男」より 著者:海野十三
いに失望したが、その筋の希望もあって、二人は更に設計をやり直し、新しい装置を昼夜
兼行で組立てたのだった。白丘ダリアは、この事件以来というものは、住居にしている伯....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
にある)の一人の探偵があらわれて、同志の中には縛に就いたものもある。正香は二昼夜
兼行でその難をのがれて来たことを半蔵の前に白状したのであった。 正香に言わせる....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
幕運動の渦中に身を投ずるものも少なくなかった。さきには三条河原示威の事件で、昼夜
兼行で京都から難をのがれて来た暮田正香のような例もある。今また何かの姿に身をやつ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
事だ。そのために、中津川地方にはその人ありと知られた小野三郎兵衛が名古屋表へ昼夜
兼行で早駕籠を急がせたということをも知った。 「して見ると、やっぱり事実だったの....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
二人はそう相談をきめて、モンマルトルの真ん中に宿をとったのだ。そして予定通り昼夜
兼行で遊び暮しながら僕はリヨンからのたよりを待っていた。ヨーロッパ歴遊の新しい旅....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
序 本書を書き出してから、自分は寝食を忘れて
兼行し、三カ月にして脱稿した。しかしこの思想をまとめる為には、それよりもずっと永....
「阿繊」より 著者:田中貢太郎
でなければ私は死んでしまいます。」 嵐はそこで帰って三郎に知らした。三郎は昼夜
兼行でいって阿繊に逢った。二人は顔を見合わして泣いた。翌日二人は出発することにし....
「阿英」より 著者:田中貢太郎
さしたが、夜の明けきらないうちにもういってしまった。 玉は東粤で乱を聞いて昼夜
兼行で帰って来たところで、途で土寇の一群に遇った。主従は馬を乗りすてて金を腰にし....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
ったそうだ。 信長は京都、堺を見物していたが、雨降りの払暁、にわかに出立、昼夜
兼行二十七里の山径をブッとばして帰城した。この理由も、家来の誰にも分らない。ひき....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
はなかった。しかし店頭に山なす人々の要求を思えば、危険を顧みる暇もない。全く昼夜
兼行全店員よくあれだけの働きが出来たと思う。夜半に中村屋の煙突から火の子が出たの....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
一人の手に負える問題ではない。高山からも警官が大勢出張した、岐阜の警察からも昼夜
兼行で応援に来た。狭い駅中は沸返るような混雑である。 「どうも大変な事が起ったね....
「女靴下の話」より 著者:西東三鬼
れの朝酒が夕酒になる頃、初老の悪童のろけていうには、輓近二十二歳の愛人を得て昼夜
兼行、多々ますます弁じているが、艶運はともかく、このホルモンは羨ましかろう等々。....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
的、物的財的奉仕、これをまとめる宿老教え方と努力などを教会復興の一点に向けて昼夜
兼行つとめたこともたしかに大いなる力であります。 しかしながら私どもは私どもの....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
い。私はつてを求めて昼は炭の行商を、夜はうどんの屋台車を引っぱることにした。昼夜
兼行で働かなければ、とても食っていけないからである。 炭売りは別にむずかしいこ....