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「内の人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内の人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
上のハンケチの包みを押えながら、下駄《げた》の先をじっと見入ってしまった。今は車内の人が申し合わせて侮辱でもしているように葉子には思えた。古藤が隣座《となりざ》....
婦系図」より 著者:泉鏡花
野|一家に対しては、お蔦さえ、如何の感情を持つかが明かに解る。 それは英吉と、内の人の結婚に対する意見の衝突の次第を、襖の蔭で聴取ったせいもあろう。 そうで....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
えるのが、この友だちに会う時の一つの楽しみだった。 「だめだ。このごろは漁夫で岩内の人数が急にふえたせいか忙しい。しかし今はまだ寒いだろう。手が自由に動くまい」....
海異記」より 著者:泉鏡花
、兄哥|真直に突立って、ぶるッと身震をさしっけえよ、突然素裸になっただね。」 「内の人が、」と声を出して、女房は唾を呑んだ。 「兄哥がよ。おい。 あやかし火さ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
のならび、あすこは寮よ……」 「そうだ、公園|近だね。あすこへ時々客では無い、町内の人らしいのが、引過ぎになってもちょいちょい出たり入ったりするから、少しその心....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
ことも思う機会がない。 あってみない前の思いほどでなく、お光さんもただ懇切な身内の人で予も平気なればお光さんも平気であったに、ただ一日お光さんは夫の許しを得て....
春昼」より 著者:泉鏡花
かけて、 「つかんことを聞くがね、お前さんは何じゃないかい、この、其処の角屋敷の内の人じゃないかい。」 親仁はのそりと向直って、皺だらけの顔に一杯の日当り、桃....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
のごとき大粒の雨。 雨の音で、寂寞する、と雲にむせるように息が詰った。 「幕の内の人、」 美しい女は、吐息して、更めて呼掛けて、 「お前さんが言った、その二....
黒百合」より 著者:泉鏡花
、」 「助けて下さい、拓さんは目が見えません。」 「二人じゃあ不可ねえや、」 「内の人を、私の夫を。」 「おいら、お前でなくっちゃあ、」 「厭、厭ですよ、厭です....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
るつもりで、僅ばかりの忠義な従者に護られて、あちこちに身を潜めて居りました。領地内の人民も大へん私に対して親切にかばってくれました。――が、何を申しましても女の....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
るぞ! 城内に幾度も行った彼は自然己惚れが強くなっていたが、それでいながらまた城内の人をさげすんでいた。たとえば長さ三|尺幅三寸の木の板で作った腰掛は、未荘では....
暗号数字」より 著者:海野十三
「木村です。さあどうぞ」 と、柔味のある声音で呼びかけた。 帆村はそのまま車内の人となった。 そして彼は、木村氏の案内によって築地の某料亭の門をくぐったの....
三枚続」より 著者:泉鏡花
実で。 先刻ちょうど来合せた愛吉が、常に口にするよう、お夏の癇癪を引受けて、町内の人々と言い争い、すわや、掴合の始りそうになった時、あたかも可し、婆を捕えて、....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
らな。」 「煩いぐらいで……こんなに私が思うているものを、それに、そんな、そんな内の人ではないのです。」 「そりゃ何より結構だ。……そうかい、いやに曲けてもいず....
西航日録」より 著者:井上円了
ごとし。 日は寒く風は荒びし其中にいと煖き人心かな 余はこれを英語に直訳して村内の人に示せり。 The day is cold. The wind is ro....