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内側
「内側〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内側の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
いっているのは細いプラティナの指環《ゆびわ》だった。僕はその指環を手にとって見、
内側に雕《ほ》ってある「桃子《ももこ》へ」と云う字に頬笑《ほほえ》まない訣《わけ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
一群となって、それが前記の第二の要素の一つとなった(この中で質量の最小な群が一番
内側へ来た)。これがすなわち、遊星である。これら遊星の運動とはちがった運動をする....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
――この硝子窓の並びの、運動場のやっぱり窓際に席があって、……もっとも二人並んだ
内側の方だが。さっぱり気が着かずにいた。……成程、その席が一ツ穴になっている。 ....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
広い胸に、兵の柄のしなうような、智と勇とが満ちて見える。かつ柄も長くない、頬先に
内側にむけた刃も細い。が、かえって無比の精鋭を思わせて、颯と掉ると、従って冷い風....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
もお千は御主人。このくらいな事は当然で。 対の蒲団を、とんとんと小形の長火鉢の
内側へ直して、 「さ、さ、貴女。」 と自分は退いて、 「いざまず……これへ。」....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
に過ぎる。大方は目の煩いだろう。 トラホームなぞだと困る、と、その涙をとにかく
内側へ深く折込んだ、が。――やがて近江屋へ帰って、敷石を奥へ入ると、酒の空樽、漬....
「古狢」より 著者:泉鏡花
ろう。あれでも人が居るかと思う。透かして見れば帳場があって、その奥から、大土間の
内側を丸太で劃った――(朝市がそこで立つ)――その劃の外側を廻って、右の権ちゃん....
「転機」より 著者:伊藤野枝
うな答えよりも最初の疑問がまず頭をもたげ出すのであった。 歩いていく土手の道の
内側の処々に、土手と並んで僅かな畑がある。先に歩いていく男は振り返りながら、 「....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の気でいたかも知れない。」 小杯は朱塗のちょっと受口で、香炉形とも言いそうな、
内側に銀の梅の蒔絵が薫る。……薫るのなんぞ何のその、酒の冷の気を浴びて、正宗を、....
「醜い家鴨の子」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
まりあの方を見失わない様にしてみんなが気を配ってる証拠なの。さあさ、そんなに趾を
内側に曲げないで。育ちのいい家鴨の子はそのお父さんやお母さんみたいに、ほら、こう....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
魯鎮の酒場の構えは他所と違っていずれも皆、曲尺形の大櫃台を往来へ向けて据え、櫃台の
内側には絶えず湯を沸かしておき、燗酒がすぐでも間に合うようになっている。仕事をす....
「些細な事件」より 著者:井上紅梅
。しかもそれはわたしに対して次第々々に一種の威圧になりかわり、果ては毛皮の著物の
内側に隠された「小さなもの」を搾り出そうとさえするのである。 わたしの活力はこ....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
ては本当の余裕は生じ難い。 多分に人に見せるために、絶えず緊張をよそおう人は、
内側は案外からつぽであるかもしれない。そしてこのような人に限つて余裕ある心を理解....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
見ッから。」 お美津はそのとき、封印された馬に新しい切藁を与えていた。飼葉桶を
内側へ入れようとすると、馬はいつものように鼻で言葉をいうように首を押しつけてくる....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
地第一の大寺は大教正の所住にして、外観装飾を欠くも、内部は壮大美麗を極む。本堂の
内側、長さ五十三間、幅二十九間にして、九千人をいるるに足るという。余のこの堂に入....