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「内儀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内儀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
っと茶室を揺《ゆ》すぶりました。それに声が紛《まぎ》れたのでしょう。弥三右衛門の内儀《ないぎ》の言葉は、何と云ったのだかわかりません。が、主人は頷《うなず》きな....
或る女」より 著者:有島武郎
人目を避けながら顔を洗わしてもらおうとした。 四十格好の克明《こくめい》らしい内儀《かみ》さんがわが事のように金盥《かなだらい》に水を移して持って来てくれた。....
或る女」より 著者:有島武郎
大であるのを思わずにはいられなかった。葉子は電話室を出るとけさ始めて顔を合わした内儀《おかみ》に帳場|格子《ごうし》の中から挨拶《あいさつ》されて、部屋《へや》....
星座」より 著者:有島武郎
いって、学校から七八町くらいだ、表書きの家は、そこに連れていってくれた。そこのお内儀さんが矢部さんを見るとマルタが基督《キリスト》にでも出喰わしたように頭を下げ....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
近づけり。白糸はひたと雨戸に身を寄せて、何者か来たると※《うかが》いぬ。この家の内儀なるべし。五十ばかりの女は寝衣姿《ねまきすがた》のしどけなく、真鍮《しんちゅ....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の男がまだ靴も脱がずに突っ立っていた。農場の男も、その男にふさわしく肥って大きな内儀さんも、普通な背たけにしか見えないほどその客という男は大きかった。言葉どおり....
親子」より 著者:有島武郎
時も歯痒ゆく思った。 事務所にはもう赤々とランプがともされていて、監督の母親や内儀さんが戸の外に走り出て彼らを出迎えた。土下座せんばかりの母親の挨拶などに対し....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
りいられなくなったのだから、縁がないのさ」 こんなこというは婆と呼ばれる酒屋の内儀だ。 「みんな省さんが悪いんさ、ほんとに省さんは憎いわ。省さんはあんなえい人....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
、初路さんの糸塚に手向けて帰ろう。赤蜻蛉――尾を銜えたのを是非頼む。塗師屋さんの内儀でも、女学校の出じゃないか。絵というと面倒だから図画で行くのさ。紅を引いて、....
眉の記」より 著者:上村松園
。 いつの頃からかこの青眉の風習が消え失せて、今では祇園とかそういった世界のお内儀さんにときどき見受けることがあるが、若いひとの青眉はほとんど見られない。まし....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
をためる) 戸部うなる。 言われなくたって、出たけりゃ勝手に出ますわ、あなたのお内儀さんじゃあるまいし。 戸部 俺たちの仕事が認められないからって、裏切りをす....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
いろとありましたし、またその身分とか年頃とかで、さまざまの髪形がありました。娘、内儀、花嫁、中嫁御、女中、おんば、みなそれぞれの髪があったものでした。中嫁御が眉....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
な帯しめてはる」 と、手を触れて見ておりました。一室には、もと、相当なお店のお内儀さんだったという品のよい女がおりました。舞を舞うのが好きと見えて、始終、何や....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
、雪国の雪で育った、色の抜けるほど白い、すっきりとした世話女房、町で老舗の紅屋の内儀……お悦という御新姐が、 「段々降って来るのに――勝手になさい。」 留める....
活人形」より 著者:泉鏡花
にさばく乱髪のさらさらという音あり。 亭主の叫びし声を怪しみ、慌しく来る旅店の内儀、「まあ何事でござんすの、と洋燈を点けて据え置きながら、床の間の方を見るや否....