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内兜
「内兜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内兜の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
りもはるかに巧妙で大胆なのを葉子は自分で存分に知り抜いているのだ。自分から進んで
内兜《うちかぶと》を見透かされたようなもどかしさはいっそう葉子の心を憤らした。
....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
くなる。きょうのところは格別を以てゆるして遣る。早く行け、行け」 もうこっちの
内兜を見透しているので、平作は素直に立去らない。かれは勇作にむかって大きい手を出....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
がって、切れば血の出る若い生命の流れを軽蔑なさるからコンナ事になるのです。伜には
内兜を見透かされる、女将には冷やかされる……」 「アラ、冷やかしなんかしませんわ....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
りだ。すぐに甲板へ引っぱり上げられて先ず一杯、先ず一杯と盃責めにされる。モトヨリ
内兜を見せる吾輩ではなかったので、引つぎ引つぎ傾けているうちに、忘れるともなく友....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を篤《とく》とながめました。 こちらがながめるより先に、先方は敵の提灯で、敵の
内兜《うちかぶと》を見定めたと覚しく、 「こいつは少し当《あて》が外れた!」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
出たのに違いないのですから、一旦は狼狽したが、もとより相当な奴ですから、ここらで
内兜《うちかぶと》を見せるようなことはない。こうなると、意地にも強気を見せるもの....
「道成寺不見記」より 著者:夢野久作
識にかかわると思っているからおかしい。アワよくば能を鼻でアシラって遣ろう。能楽の
内兜を見透かして、能楽師を恐れ入らして遣ろう……ぐらいの了簡で、初めからわかった....
「港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
どうかなっていはしないかと思ったが、そこで検べることも出来ないので、それを上衣の
内兜に入れ、時計を手首に着けた。 「そんなにせかせかしたって、会社なんかが見つか....