内向[語句情報] » 内向

「内向〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内向の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
った事のある書生と世間話さえした。奥へも無論通る必要が生じて来た。細君に呼ばれて内向《うちむき》の用を足す場合もあった。中学校へ行く長男から英語の質問を受けて窮....
語られざる哲学」より 著者:三木清
しかしてやさしき愛のみがそれをなすこと、これらの点を体認して、外向的よりもむしろ内向的活動がいっそう重んずべきものであることを知っている人にとっては、活動はそれ....
沓掛より」より 著者:寺田寅彦
あさってしまって、後ろ向きにはい出そうとするときに、虻の尻がちょうどおしべの束の内向きに曲がった先端の彎曲部に引っかかり、従って存分に花粉をべたべたと押しつけら....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
音楽家の人類的選手としてベートーヴェン等への熱愛が高められ、自然主義の自己検討の内向性は、個人のうちにひそめられている可能に対する人類への責任という見方へと、内....
それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
せ、やや頭を左に傾けた下眼づかいに正座している当日の彼の写真は、全身の抑制された内向的な表情によっても、同じベンチに並んでいる他の被告たちの動的で、いくらか亢奮....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
に解釈して、よく会得されなかった。今は、この云われている押しというものは性質上、内向的なものであり、沈潜力の意味、自分の見きわめ方のギリギリ加減ということとして....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
しつつ、決して、作家の頭にあるような読者を問題にしていず、念頭になく、筆端は常に内向的であることです。真の文学評論は、正にこういう性質のものでなければならないの....
明暗」より 著者:岡本かの子
探り入らねばならなかった。 三木雄は、その生理作用にも依るものか、性質もぐっと内向的で、その焦点に可成り鬱屈した熱情を潜めていた。そして智識慾も、探求心も相当....
正倉院展を観る」より 著者:吉川英治
ゆる姉さん女房の型か』といっていた比喩はおもしろい。ゆらい日本の女性は、ひとえに内向的で内気な弱い花といわれてきたが、この藤三娘(藤原氏の三女のいみ)の書の勝ち....