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「内壁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内壁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
を引き、鐘を傾けました。無論小鐘は水平になったでしょうが、大鐘はやや傾いて振錘が内壁に接触します。ところが、あの吹き降りです。間断なく吹き込んでくる霙は、やがて....
手術」より 著者:小酒井不木
ど前から月のものがとまり、段々衰弱して来たので、先生の診察を受けたところ、子宮の内壁に繊維腫が出来て居るから、子宮を全部剔出しなければならないとの事で、患者も覚....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
、感心できませんや、砒素の入っている合成酒はねえ。口あたりはいいが、呑むと胃袋の内壁に銀鏡で出来て、いつまでももたれていけません」 「ま、真逆ね」 「本当ですよ....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
えて、 「ご緩り、ご覧なさい。」 二、三の散佚はあろうが、言うまでもなく、堂の内壁にめぐらした八の棚に満ちて、二代|基衡のこの一切経、一代|清衡の金銀泥一行ま....
小説中の女」より 著者:豊島与志雄
えていた。友の家庭の光景や友と交えた会話などが、断片的に――而も幻灯仕掛で頭脳の内壁に投影されるように、はっきりした静止の状態で浮き出してきた。「明日から創作を....
立枯れ」より 著者:豊島与志雄
奇峯が見えてくるように、何かもやもやと立罩めている頭脳の一部が晴れて、その向うの内壁をスクリーンとして、或る映画がうつってくるようなものだった。而もその晴れた部....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
、白河戸郷をまず守り、次に荒々しい広い曠野が、白河戸郷を抱き包み、さらに低い丘が内壁かのように、白河戸郷を守っているのであった。 約言すると白河戸郷は、三重の....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
に階段があるよ!」 こう云いながらジョン少年は、湾をグルリと囲繞いていた洞窟の内壁を指差した。 洞窟の内壁を上の方で斜めに階段が出来ていた。その上層は闇に鎖....
あなたも私も」より 著者:久生十蘭
「ヤッホー……あたしよ、居たら、返事をして……」 うちあげる潮のかしらが洞の内壁にあたって、鼻息のような音をたてる。 返事がない。 狭い口をもぐって、十....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
くなり、初めは緑色なのがついには熟して赤色多汁となり食用に供せられる。しかしその内壁は硬変して緊密にその内部の果実を包擁している。グミの実を食うとき、核《タネ》....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
終わって後|子房《しぼう》が日増しに大きくなるにつれ、漸次《ざんじ》にその外方の内壁《ないへき》から毛が生じ始める。そして後には図の下方にあるミカン半切《はんき....
百喩経」より 著者:岡本かの子
挟まって居た。 夫の自分への愛を保志子は妹達にも見知らせて置き度かった。飲んで内壁から吸収する幸福を気付かせて置くことは嫁入前の妹達に結婚衛生学の助講にもなる....
黒船前後」より 著者:服部之総
ら案出したものである。外壁が万一破れても、けっして船内には浸水しない。だが万々一内壁まで破れるような椿事《ちんじ》が起った場合には?――というので、さらに、セカ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
て、 生その物のために死ぬるような、 愚な事はしていぬだろう。 この家は外壁も内壁も 傾いて、崩れそうになっている。 己達も早く逃げないと、 圧し潰されてしま....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
択んでいた。金作は私達の後から気を付けて呉れる。どうかすると上から小砂利が漏斗の内壁にザラザラと落ちて来て、其上を蹈むとするりと滑る、ハッと胸騒ぎがする、蟻地獄....