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「内奥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内奥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
われるや、まことに快刀乱麻を断つがごとし、即座にずばりといったものです。 「ご城内奥女中のご用品でござりまするな」 「な、なぜおわかりじゃ! なぜこれが奥女中の....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
をついた命令で目をぱちくりしている伝六をしり目にかけながら、右門はそのまますうと内奥へやって参りました。内奥はいわずと知れた南町奉行神尾元勝のお座所です。そのこ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ていったところは、最初の夜に伏せ網を張って待ちぼけ食わされた、あの三ツ又稲荷の境内奥の、しんちんとぶきみに鬼気迫るほこらのうしろです。 一刻《いっとき》! 二....
雛妓」より 著者:岡本かの子
た。 その娘二人の位牌がある。絶世の美人だったが姉妹とも躄だった。権之丞は、構内奥深く別構へを作り、秘かに姉妹を茲に隠して朝夕あわれな娘たちの身の上を果敢なみ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
夫婦の外に五六人も居ました。奥さんは好い方で、私共によく眼をかけてくれました。其内奥さんは何か用事で一寸内地へ帰られました。奥さんが内地へ帰られてから、二週間程....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
れ」私はすべての事情の錯雑と寒冷と急迫との底に瞑目してかく叫ぶ。かく叫ぶとき心の内奥に君臨するものは一種の深き道徳的意識である。いっさいの約束を超越して、ただち....
ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
意としないが人間によって裁かれることを怖れる。私が不断に耳をすましているものは、内奥からの人間の声のみであり、この裁きは、私にとっては絶対である。 文学は色々....
呉清源」より 著者:坂口安吾
ことに就てのみは、機械の如く、鬼の如く、非人間的に処理はできない。否、その自らの内奥に於て、最大の振幅に於て、苦闘、混乱せざるを得ないのである。むしろ彼らの魂が....
触覚の世界」より 著者:高村光太郎
ある。一人の碩学がある。その深博な学問は其人自身ではない。その人自身の裸はもっと内奥の処にあたたかく生きている。カントの哲学はカント自身ではない。カント自身はそ....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
な原始力は世界に類を求め難いほど特異なものである。飛鳥白鳳や天平にもなかった精神内奥の陰影がその形象の上に深く刻みつけられている。刀刃を以て木材を刻み彫り成すこ....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
「おおそうか、見覚え置く」 で、秀吉は帰館した。 × 伏見城内奥御殿。―― 秀吉は飽気に取られていた。 淀君は今にも泣き出しそうであった....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
かずには済まされぬのであった。 秋には近いがまだ却々に暑かった。奥二階で駒越左内奥野俊良の二人と、朝日川の鮎を肴に散々酒を過した金三郎。独り離れの隠居所にと戻....
錦紗」より 著者:犬田卯
身ではそんなつもりはなくとも、とうに世間では自分をぼんやりのうっかりぽんであると内奥を見抜いてしまっているのかも知れない、だからこそ二十三になる今日まで――農村....
雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
家のように誰も彼も同じような美人画が出来ようとは思われません。それが本当に自己の内奥に潜む力の発現として作家を容型しているものならばたとえ似交った多くの美人画の....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
たこともない、――すなわち、エリザベス女王その人である。彼女のうわべの姿からその内奥の相にいたるまで、あらゆる部分は真実と見せかけの惑わしに充ちた不調和で滲透さ....