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内実
「内実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内実の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
親切ごかしに無いものまでせびり取ろうとする手合いが多いのだ。たまたま葉子の姉妹の
内実を知って気の毒だと思っても、葉子ではというように手出しを控えるものばかりだっ....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
れた話や、もはや抱妓《かかえっこ》の二人三人も置くような看板ぬしになってからも、
内実の苦しみは、五円の現金を借りるために、横浜往復十二円の月末払いの俥に乗って行....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
三 大次郎は悪い家へ這入ったので、こゝの家の表看板は料理屋ですが
内実は淫売屋でした。江戸時代に夜鷹は黙許されていましたが、淫売はやかましい。とき....
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
う。 慶喜の上洛は、尾越両侯から上洛を勧められたからと云うのは、表面の口実で、
内実は討薩の表を奉って、京都から薩長の勢力を駆逐するつもりであったのであろう。 ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
る。ショウペンハウエルのいわゆる「意志を離れたる純粋認識の主観」となって、事物の
内実本性を直観するのである。さればとて氏は主観を離れて真理の客観的実在性を説くの....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
際的の御一人だから一号三〇〇円以下では売らないといったりすることもあるようだが、
内実はいかに相なっているかそれは素人にはわからない。しかしまず常識的な画家の相当....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
際的の御一人だから一号三〇〇円以下では売らないといったりすることもあるようだが、
内実はいかに相なっているかそれは素人にはわからない。しかしまず常識的な画家の相当....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
けめぐって居るのです。それにお恥かしいことには、持って生れた負けずぎらいの気性、
内実は弱いくせに、無理にも意地を通そうとして居るのでございますから、つまりは自分....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
を願う次第で御座りまするが、実は手前方、こうして大きく店張りは致し居りますれど、
内実は火の車。借金取が毎日詰掛けますので……」 「いや、よろしいよろしい。話は皆....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
も、ただ責任の局に在るが故に、止むを得ず外国人に接して表面に和親を表したるのみ。
内実は飽くまでも鎖攘主義にして、ひたすら外人を遠ざけんとしたるその一例をいえば、....
「瘤」より 著者:犬田卯
ざとなればよ。」 S大字の土地は大半町の金持連の手に渡って、昨日の地主、いまは
内実は小作人であると言う。 それから話は村農会のことに移って、ここも何らの仕事....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
る。その敵の圧制から罪なき夫人までがかくのごとき悲惨な目に遭って居るのだと、その
内実を知って居る者にはいかにも気の毒で堪えられない。で道々感じつつ一首の歌が出ま....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
野蛮性がときどき爆発するのは、恐怖か激情かの結果だった。外見だけはそう見えても、
内実は彼女の危険極まりない敵――スペイン離宮に巣を張るクモとは正反対な人間だった....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
よるに、ヤソ教の僧侶ことごとく品行端正にして信教篤実なるにあらず、その三分の二は
内実はなはだ疑わしといえども、表面には厳然たる宗教家たる言行を示すをもって、世間....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
るものの連名著作となっておって、しきりに日蓮の聖徳を讃嘆したげに見せかけながら、
内実は裏面から甚だしくこれをそしったもので、おそらく彼によって念仏無間と罵られた....