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内密
「内密〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内密の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鮨」より 著者:岡本かの子
しら、それがこんなにも自分においしいものを食べさせて呉れるこの母であったのなら、
内密に心を外の母に移していたのが悪かった気がした。 「さあ、さあ、今日は、この位....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
堂 第五章 芸術鑑賞 美術鑑賞に必要な同情ある心の交通――名人とわれわれの間の
内密の黙契――暗示の価値――美術の価値はただそれがわれわれに語る程度による――現....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
は機嫌を直したことにして、座席に座った。ボジャック氏は、どうか彼の素姓については
内密に願うと、くどくどと歎願したのち、ずっと後方にあるという彼の座席へ帰っていっ....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
駅で、親切ごかしに僕自身の手でこ奴をチッキにつけたんだよ。夫人の本邸へではなく、
内密で僕のこの事務所を宛名にしてね。――今頃は屹度岸田の奥さん、大騒ぎで両国駅へ....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
から僕は、一晩中飲んだくれのチンドン屋を探し廻ったんですよ。その結果、これはまだ
内密の話なんだが、大変な発見をしたんです。……つまり、犯行の暫く後にあそこを通っ....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
見えまするで、佐渡へ上下の折々に試掘致しとう御座りまする。但し人目に触れぬように
内密に立廻り致しますると、ウマイ事を言上して置き、腹心の者にあちらこちらと掘り散....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
った。 四 一方には旅医者奥野俊良。家老職池田|出羽に面会して、
内密に落胤の事を談じ、表面は浪人御召抱えの嘆願という手筈を定めていたが、生憎その....
「丹那山の怪」より 著者:江見水蔭
が新しく奉納額として懸っているのを見出した。純之進は芝居が好きなので、武士ながら
内密で、江戸三座の新狂言は大概見物に行っていた。 「おう、七変化芝居大一座――珍....
「競馬」より 著者:犬田卯
だったにしても――村人のふところへ宿かりした時分にあったのだ。仙太が今、女房には
内密で持ち出した五円札も、実はそうした月末の納税にぜひ必要なものだった。 ――十....
「快走」より 著者:岡本かの子
のであろうから。いやそれよりも彼女は月明の中に疾駆する興奮した気持ちを自分独りで
内密に味わいたかったから。 翌日道子はアンダーシャツにパンツを穿き、その上に着....
「狐」より 著者:岡本かの子
何の用ですか。 女あたりを見廻して ――誰も聞いてるものは居ないでしょうか。少し
内密|咄しなのですが。 ――見らるる通り、あたりに人影とてはない。在るものは欅並....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
だつたからである。ほかに連れがあるこのときに、二人だけはぐれて帰るということは、
内密な何事かを意味するものでなければならなかつた。 初世はしかし、うなずきはし....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
。どうぞこの夢の責苦から逃れられますように、助けて下さい。しかし、是非これだけは
内密にお願いいたしたいんですが――』 『大丈夫です。私の体は皆さんの秘密の捨て処....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
てもお聴きになりません。已むなくお天気の好い日の暖かい時刻を計って、お医者様には
内密で、私がお伴をしてお墓参りにまいることにいたしました。 型の通りお墓の前に....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
ゃあお信じになりますまいから、一つ今日は私の秘密をお打ち開けいたしましょう。極く
内密なお話なんですけれど、奥様にだけは申上げておく必要がありそうですから、それに....